- 2018年09月01日17:00
「高円寺阿波おどり」60年前の“黒歴史”を「杉並区立郷土博物館」で知る
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(NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会よりキャプチャ)
先日盛況のうちに終了した「第62回東京高円寺阿波おどり」。60年以上もの歴史あるイベントですが、その第1回は本場の阿波おどりとは似ても似つかぬ「バカおどり」だった事知ってました?
杉並区立郷土博物館にて
「高円寺バカおどり」を知る
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★残暑の散歩にて「杉並区立郷土博物館」に辿り着く
とある午後の散歩。中野坂上から丸ノ内線を下り、なんとなく新青梅街道を目指していたはずが、方南通りを永福町にまで来てしまった。
中央線方面に戻るか……と北上すると、「杉並区立郷土博物館」を通りかかった。中野の「中野歴史民俗資料館」は何度か訪れたけれど、杉並区のこういった公共博物館は来たことなかったな。
それもそうか、けっこう繁華街からは離れてるもんなと門の様子を見てみると――
もう小中学生の夏休みは終わり、自由研究に良さげなテーマの展示のレポートは、ニュースとしてはイマイチですが、展示自体は9月9日まで。
一応ちょっと入ってみましょうかね。
★「昆虫展 in すぎなみ2018」
海外の巨大昆虫、キレイな蝶のほか、ニュースでも話題になった「ヒアリ」も展示。これがあのヒアリかあと、虫眼鏡で眺めることができるほか、
夏休みが終わった今、平日の昼に誰が来られるのか……とちょっとスケジュールに疑問を持ちますが、もし行けるお子さん、親御さんいたら、めったにない機会だと思いますのでいかがでしょう。
★杉並区の歴史・阿波おどりの歴史
こうした郷土博物館の定番ですが、常設展には、杉並区内のエリアにおける、縄文時代から現代までの遺物・遺構・発掘品、資料などを展示。
その中で、ひとつものすごく気になった展示がありまして。
(NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会よりキャプチャ)
それが、杉並区の現代史と切って離せない「東京高円寺阿波おどり」についてです。
60年以上も続き、本場・徳島に次ぐ歴史と規模のある、亜流のはしりみたいなお祭りですよね。
昭和32年8月。現在の高円寺パル商店街振興組合に青年部が誕生した。この誕生の記念行事として何かやろうじゃないか、という意見が出た。すでに、隣町の阿佐ヶ谷では昭和29年より七夕祭りが始まっており、これは大きな売上をもたらす呼び物であった。
「阿佐谷に負けてなるものか!」と高円寺の街の人々は奮起。相談のうえ、阿波踊りを始めることになった。行事やイベントの情報が少なかった当時のこと、神輿を担ぐ、盆踊りを踊るといったアイデアしか出てこない。しかし神輿は高価でとても手が出ない、狭い商店街の中では盆踊りのヤグラを組むこともできない。一同が頭を抱えていると、「私は見たこともないのだけれど、四国の徳島というところには、道を踊りながら進む踊りが有るらしいよ」と、この一言がきっかけとなり阿波踊りを始めることになった。 がしかし、名称は正式に阿波おどりと名乗るのも憚られ「高円寺ばか踊り」に決まった。
(NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会より引用)
東京高円寺阿波おどり振興協会のサイトによれば、こうした歴史の始まりが書かれています。
なんと、町おこしのために、阿佐谷七夕まつりの対抗馬として、まったく知りもしない阿波おどりのマネごとをしよう。それが「東京高円寺阿波おどり」が始まったきっかけでした。
そこは当事者・振興協会の説明です。「知らないのに阿波おどりを名乗るわけにはいかない、『ばかおどり』ってことでお茶を濁そう」ということを、比較的にマイルドに書いています。
しかし、杉並区立郷土博物館の展示パネルでは、もうちょっとツッコんだ表現でその黎明期の事を説明していたんです。
「高円寺“ばかおどり”」の誕生
昭和32年(1957年)8月、高円寺南商店街(現在の高円寺パル商店街)の青年部(現在のまどか会)が発足・これをきっかけに「何か新しいことをやろう」という機運が高まった。
“阿佐ヶ谷七夕まつりのような、商店街の売り上げをもたらすイベントが出来ないものか”
そこに「阿波おどり」はどうだろうかという提案が出た。これなら商店街を練り歩ける。「まあ、いいじゃないか」。
こうして“なんとなく”決まったのが高円寺阿波おどりの第一歩になる。しかしここは阿波ではない。徳島では阿波踊りを阿呆踊りともいうらしい。それならば、ということでついた名称は「高円寺“ばか”おどり」だった。
ところが、誰も本場の「阿波踊り」を知らなかった。なんとか伝手を頼って民謡の先生に教わるも、本場の阿波踊りとは似ても似つかない。しかし、誰も知らないのでそんなことわかるはずもない。
練習期間はわずか三日間、そして8月27日、先生から白粉、眉墨、口紅を塗りたくられた“化け物”たちが長仙寺に集合、彼らはみな「悲壮な覚悟」をもって商店街を踊り歩いた(恥ずかしさでただ突っ走ったという話も…)。
こうして「高円寺阿波おどり」の歴史がスタートを切る。
これは、杉並区立郷土博物館の常設展のパネルに書かれていたことをまる写しにしたものです。(強調のみ筆者)昭和32年(1957年)8月、高円寺南商店街(現在の高円寺パル商店街)の青年部(現在のまどか会)が発足・これをきっかけに「何か新しいことをやろう」という機運が高まった。
“阿佐ヶ谷七夕まつりのような、商店街の売り上げをもたらすイベントが出来ないものか”
そこに「阿波おどり」はどうだろうかという提案が出た。これなら商店街を練り歩ける。「まあ、いいじゃないか」。
こうして“なんとなく”決まったのが高円寺阿波おどりの第一歩になる。しかしここは阿波ではない。徳島では阿波踊りを阿呆踊りともいうらしい。それならば、ということでついた名称は「高円寺“ばか”おどり」だった。
ところが、誰も本場の「阿波踊り」を知らなかった。なんとか伝手を頼って民謡の先生に教わるも、本場の阿波踊りとは似ても似つかない。しかし、誰も知らないのでそんなことわかるはずもない。
練習期間はわずか三日間、そして8月27日、先生から白粉、眉墨、口紅を塗りたくられた“化け物”たちが長仙寺に集合、彼らはみな「悲壮な覚悟」をもって商店街を踊り歩いた(恥ずかしさでただ突っ走ったという話も…)。
こうして「高円寺阿波おどり」の歴史がスタートを切る。
う〜ん、「なんとなく」「アホをバカと言い換えよう」「知らない」「わからない」「練習3日」ツッコミどころが多数……。
(NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会よりキャプチャ)
東京高円寺阿波おどり振興協会のサイトに掲載されていた写真も、郷土博物館に展示されており、そのおしろい、化粧……うん、これを阿波踊りとか言う奴はバカだな、という様子。
さすがにそんなバカなままではいられないと、徳島新聞東京支社、徳島出身都内在住の「木場連」連長さんに教授を受け、第7回からようやく「ばか」の看板を下ろし正式に「阿波おどり」として開催されることになった経緯があるそうです。
約60年前、まだ日本全体がおおらかだった頃だからこそ許された、乱暴でバカなイベント。
今でこそ本場・徳島に次ぐ歴史ある阿波おどりでござーい! と大盛況ですが、最初の姿はそんな誇れる姿でもないユルさだったことが、どこかB級感漂う中央線・高円寺っぽいなーという感想を持ったわけですよ。
今年は酷暑にヤラれて、まったく「東京高円寺阿波おどり」に行く気持ちも高まらず、家でじっとしていたわけですが、開催前にこんな歴史を知っていたら、今年の阿波おどり、絶対見に行っていたなあなんて反省で、今回は終わり。
★「杉並区立郷土博物館 分館」もオススメ
ここは昨年「『8時だョ!全員集合』資料展」を開催された場所。
本館だけでなく、分館のほうにも行ってみたいですね。
【スポット情報】
名称:杉並区立郷土博物館
住所:〒168-0061 東京都杉並区大宮1丁目20−8
営業時間:9:00〜17:00(月曜・第3木休み)
公式サイト:http://www.city.suginami.tokyo.jp/histmus/
名称:杉並区立郷土博物館
住所:〒168-0061 東京都杉並区大宮1丁目20−8
営業時間:9:00〜17:00(月曜・第3木休み)
公式サイト:http://www.city.suginami.tokyo.jp/histmus/
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