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あなたの暮らしのためになる(?)漫画原作者・猪原賽が発信する中央線ライフブログ

  • 17:00

テレ東ヤバい!グルメ番組の枠超え過ぎ!『ハイパーハードボイルドグルメリポート』命知らず過ぎ!

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テレビ東京番組公式サイトよりキャプチャ)

“秋のテレ東深夜グルメ祭り”10月3日深夜放送『ハイパーハードボイルドグルメリポート』がかなりテレビ的にヤバ過ぎたので、10日深夜に放送する後編に期待し、お前らみんな見ろよ! とオススメする。

攻めすぎ!テレビ東京
ハイパーハードボイルドグルメリポート


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★飽食グルメネタにカウンター!『ハイパーハードボイルドグルメリポート』

番組改編期のこの10月前半、テレビ東京の深夜番組は“秋のテレ東深夜グルメ祭り”を開催。

特に10月3日と10日の2回に分けて放送される『ハイパーハードボイルドグルメリポート』を、私は全力でオススメします。

既に3日の前編にあたる放送は終了してしまったんですが、その内容がすごかった。公式サイトから番組紹介文を引用します。

①リベリア共和国 元人食い少年兵の晩御飯

西アフリカ・リベリア共和国。アメリカから解放された黒人奴隷によって建国されたこの国は、その後の度重なる内戦で町は荒廃し、何度も蔓延したエボラ出血熱で多くの死者を出した。近代の地球上の不幸を一身に背負ったような国である。
その内戦によって生まれた町の廃墟には、元少年兵たちが住み着いているという。
強盗、売春、薬物売買・・・悪事の限りを尽くして暮らす、底辺の若者たち。
彼らは何をどうやって手に入れ、食べているのか。

②台湾 マフィアの贅沢中華

日本から飛行機で3時間。すぐそこにあるグルメの国、台湾。
しかしその国の闇は、我々の想像をはるかに越えて、深い。
その闇の象徴、麻薬や風俗など裏の世界を牛耳るマフィア「黒社会」。
その組長は浮世離れした力を持っているという。彼は一体何を、どこで食べるのか。
彼らが悪事で稼いだ金で食う飯の味とはいかなるものか。

日本でドラマ、マンガ、グルメバラエティ番組では、日常生活の中での小さな幸せや、呆れるほどの飽食ぶりが描かれます。
グルメネタなら当たる。そんな意図さえ透けて見えるほど、食傷気味とも言える。

そんな中、テレビ東京が特番的にブッ込む、世界の底辺や暗黒社会のリアルな食事風景を映すカウンターグルメバラエティ。それが『ハイパーハードボイルドグルメリポート』――


★リベリアの“食事風景”がヤバい

※見逃し配信等が見当たらないので、完全ネタバレから感想を伝える構成です。ご注意ください。また録画しておらず確認できないため会話の体で書かれたセリフはあくまで私が受け取った意訳的な部分もあることもご了承ください。

なにげなく付けたテレビで放送していた『ハイパーハードボイルドグルメリポート』は、まずアフリカ・リベリアに潜入。

長く内戦が続いていた、これから復興するであろうこの国。日本からの支援物資すらも横流しで販売され、日々の食事も困窮している現地の生活者のリアルな食事風景を“撮らせてもらう”。

最初、その様を私は下品だなと思った。テレビのコチラ側のセーフティな環境から、人の不幸を覗き見る、パパラッチやワイドショーを楽しむ感覚で放送されているように感じたからです。

ですが、取材ディレクターが「墓場」に来たところで、様子が一変。
リベリアの国営墓地には、リベリア内戦時代、武器を取ってたくさんの敵を倒して来た元・少年兵達がホームレス同然で住み着いている。その数、800名とも伝えられたそのエリアは、伝え聞くNYのスラム以上の治安の悪さ。

そこに現地通訳を連れ、ひとり(カメラマンが同行している雰囲気が無いわけではない)で入って行く取材Dは、もはやパパラッチを超えたジャーナリスト然として来ます。

カメラが回っているのに、そのカメラを奪おうとする者。
通りすがるふりで堂々と取材Dのポケットからボールペン(!)を盗む者。
墓に転がっていた人骨を楽しそうにもてあそぶ者。
カメラを持って入って来た取材Dに「(今は俺達の生活を見せるために何もしないが、自分が生きるためなら)お前がここを出たらお前からキーを盗んでクルマを奪う」とニヤニヤ笑う元・少年兵達。
仕事は盗み。得た金で飯とヤクを買う。カメラが回っている目の前でヤクに溺れる。
“物”や“カネ”ならまだいいが、今すぐにも取材Dの“命”を奪いに来る危険さえある。

その中で取材Dは、「ラフテー」と名乗る娼婦に取材を申し込みます。
自分は、このカメラは世界の食事風景を撮っている。良かったら今晩のディナーの様子を撮らせてくれないか――

ティーンエイジャーの多感な時期に親を内戦で亡くし、親の仇と銃を取り、多くの命を奪って来た彼女は、現在28歳。夜、娼婦として道に立つのが仕事。
カメラは夜の彼女の仕事風景を撮影し、やがて客を取り、小屋の中へ入って行く姿を捉える。待つこと30分。1度の“行為”で彼女が得た金は日本円で200円ほど。彼女はその金を握りしめ、取材Dを手招きし、「飯食いに行こう」と街の食堂へ繰り出して行く。

身体を売って得た金のほぼ全額に近い150円が、この日の晩ご飯1食の代金。山盛りのライスにリベリア風のカレーをかけて食べるラフテーの笑顔。
そんな貴重な1食なのに、彼女は「食べる?」と取材Dに分けてやる。取材Dは遠慮なくそれを口にし、「おいしいです」と言い、そして実際そのカレーはうまそうだった。

取材Dは食事を続けるラフテーに問います。「今、幸せですか?」
彼女は答える。「幸せだし、夢もある。あたしは億万長者になるんだ」と――

身寄りがなく、その日暮らしの野宿生活。身体を売った代金が、たった一度の食事にしかならない。その生活を「幸せ」と言えるのか。「夢」という言葉が虚しい。というのは、画面を通して見ているこっち側の常識です。
考えてもみてください。親の命を敵に(しかも内戦で)奪われ、自分も銃を手にして敵の命を奪って来た。そんな環境を経た上での、今ならば――

見る者の道徳、倫理観、正義感。そこに迫って来る迫真のドキュメントであり、ジャーナリズムとして、かなりヤバいものを見た。私はそんな感想です。


★台湾マフィアの“食事風景”にツッコむ取材Dがヤバい

※見逃し配信等が見当たらないので、完全ネタバレから感想を伝える構成です。ご注意ください。また録画しておらず確認できないため会話の体で書かれたセリフはあくまで私が受け取った意訳的な部分もあることもご了承ください。

上記リベリア編で終わると思いきや、番組最後の10分が、「2、台湾マフィアの贅沢中華」に割当てられていました。

環境的に命すら切実なリベリア編からうって変わって、台湾マフィアのランチ会に潜入することになった取材D。
質問できること、撮影できることは「あくまで食事についてだけ」。それ以外は禁止。

ルールさえ守れば、命の危険はない。特に相手は台湾マフィアの中でも大物のドンで、構成員数万人という組織のトップならば、(まず取材許可が下りるのが奇跡だが、)大ごとは避けるだろう。視聴者がややホッとするのもつかの間、取材Dは、贅沢な中華料理を食べているその隣の席に移動し、質問する。

ルールを曲げて、開口一番、「人をコ□したことありますか?」。

グルメ番組だろ! 食い物の話をしろよ! それが取材許可の条件だったろ!? と焦る視聴者――私。絶対この取材Dコ□される……!! と背筋に冷たいものが走った時、マフィアのドンはニッコリ笑って、

「それはネットで調べてよ」と、軽く流してぼやかす。それを見てホッとしている私。ところが取材Dは質問を続ける。

「これまで後悔したことはありますか? 例えば、人をコ□した事とか……」

お前おかしいだろ。何で今サラッと流して許してくれた彼に、空気を読まないでツッコんで行くかなあ!?
……もちろんそこでガチにヤバい展開になっていれば、今頃ニュースになってますし、この番組も放送できていないでしょう。

マフィアのボスはスッと冷たい目になって答えます。

「自分の信念に正しいことだけをしてきた。後悔したことはない。コ□しちゃいけない奴をコ□した事はない」

……あ、ダメだ。この答え、行間読んだらダメなやつだ。


★10日深夜放送の『ハイパーハードボイルドグルメリポート』必見

この番組、リベリア編でグルメドキュメント・ジャーナリズムだと思ってグッと来てたけど、台湾編を見た限り、取材Dがただの命知らずかバカなだけだと思います。

そしてそんな取材映像を、芸人・小藪千豊に見せて感想を聞く体でバラエティ番組に仕立て上げて放送するテレビ東京もヤバい。

そこに映っているリベリアと台湾のリアルは、多少のレーティングが緩いネット配信だったとしても、それを面白おかしい“バラエティ”と言うにはハードな内容。それを“秋のテレ東深夜グルメ祭り”と称して地上波で流すんだから、関係者全員アタマのネジが一本外れてるんじゃないかと思う。

③アメリカ 極悪ギャング飯

カリフォルニア州ロサンゼルス。ここに、一般人が決して足を踏み入れない、ギャングの巣窟となっているエリアがある。
ここでは、メキシコ系ギャングと対立する黒人ギャングが血で血を洗う抗争を繰り広げている。
彼らは一体なんのために■しあうのか。そして何を食っているのか。
両グループのメンバーに密着、食事に同席する中で、彼らの心の声を聞く。

次週、10日(火)深夜0時12分。命知らずの取材Dは、今度はアメリカのギャングの中に潜入します。グルメバラエティの皮をかぶったリアルに危ないドキュメント。必見です。私は録画のセットをしました。

【参考】
ハイパーハードボイルドグルメリポート|テレビ東京

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