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なたのらしのめになる(?)「世界の中野」からマンガ原作者・猪原賽が発信する中央線ライフブログ

  • 07:30

控えめ過ぎる隠れ家酒場「東京スズメ」の一期一会な和食と日本酒と自由な店主

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日本酒大好き系漫画原作者、猪原賽(@iharadaisuke)ですこんにちは。

阿佐ヶ谷の隠れ家酒場を紹介したいんですが、店主があまりにも商売っ気のない酔っ払いキャラ(いい意味で)なので、オススメできるか不安です。

ガチの隠れ家酒場
阿佐ヶ谷「東京スズメ」


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★見つけてびっくり“隠れすぎ酒場”

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阿佐ヶ谷・中杉通り沿い、有名商店街「阿佐谷パールセンター商店街」の横道アーケードの角に、なにやら飲食店の気配のする店を発見して、気になっていた。

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「多丸家帽子店」としつこいくらいに看板の掲げられたビルの側面。しかし2階のテナントの窓からは、帽子店とは思えない、カウンターと柔らかく薄暗い照明が見え、雰囲気ありそうなバーか何かかと思える。

「なんだろなー、ここ」と様子を見ていると、ビルの入り口に、小さな看板(?)が立てられていることに気づきました。

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照明の明かりで写真に鮮明には写っていませんが、こちらは「東京スズメ」という店名で、カウンターメインの、小さな和食のお店。

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「重要 商品の提供時間のやたらと掛かる店です」

ひとりでやってっから、時間の余裕のない客は入って来るなというムードがビンビンに感じられます。
クソォ、こちとら余裕のあり過ぎる酔っ払いだこのやろう! どんだけ時間掛かるか、待ちぼうけてやろうじゃないか! と、意を決して階段を上がる。

2階の扉を開けて中を覗くと、店主がひとりでカウンターの中に立ち、

 店主「え? 誰かの紹介ですか?」

一見客はありえない、という雰囲気モリモリのひとことで先制パンチ。

 ――いえ、完全に初めてです。

 店主「もの好きですねえ」

 ――(苦笑い)


★「東京スズメ」のシンプルなメニュー

カウンターに座り、まずは一杯。何を飲もうかなーとメニューを見ようとすると、無い。

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メニューらしきものは、店内に掲げられた黒板のみ。それもフードメニュー。ドリンクメニューは……っと。

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「日本酒」と「生ビール」だけだな。なんだここ。

 店主「焼酎もワインもあるけど書いてないだけです。日本酒はあるものをすべて均一価格で。好みを言ってくれればオススメを出しますけど」

 ――はあ。では、まず一杯目は生ビールをお願いします。

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というわけで、まずはお通しと生ビールです。「和風ラタトゥイユ」だそうですよ。ビールに合う夏っぽいトマト味。ゴクリゴクリとビールを喉に流し込めば、胃が、日本酒の準備を整えて来る。


★「東京スズメ」店主の味見祭りに困惑する

 ――じゃあ次は「刺盛り」と、夏っぽい日本酒を見繕ってもらってもらえますか。

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 店主「う〜ん、そうだな。今日はまず、この3本からどうでしょう」

カウンターには「大倉 純米生酒 夏うらら」ほか、夏限定のお酒が並ぶ。さて、これすべて、私は飲んだことがない。どれにしようかな〜と悩んでいると、店主はおちょこを出してきて、右から一杯ずつちょこっと注ぐと、次々に自分で飲む。

 店主「金魚のラベルの夏限定『みふく 山廃仕込 夏の純米にごり酒』は、滋賀のお酒。にごり酒のわりには辛口でスッキリしてます。真ん中は『神韻』奈良のお酒で……」

 ――ちょっと待って! 今、店主が味見!?

 店主「飲まないと伝えられないじゃないですか」

そんなものかしらと首をひねりながら、ひとしきり店主の解説を聞き、どれにしようかまた悩んでいると、

 店主「お客さんも味見します?」

 ――え、いいんですか!?

 店主の味見に困惑していたイハラさんは、自分も味見できると知って掌返し。ちみちみと3種の酒を味見して、刺身に合いそうなものは……と、まずは『神韻 無濾過生原酒』をチョイス。

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「提供時間にやたら掛かる店」と脅されましたが、まだ客は私ひとりきり。やがてそんな遅くもなく提供される「刺盛り」(1,500円)は、マコチ・金目鯛・マイワシ。

金目鯛とイワシはものすごく脂が乗っていて、ひとくちつまんでは酒を飲む。飲んでは刺身に手を付ける。

結局いろいろ悩んだあげく、解説された3本の日本酒、すべて飲んでいるよイハラさん!

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よく冷えたスッキリ系夏酒に、熱くて脂っこいものを合わせたくなり、「白エビ入り野菜のかき揚げ」(780円)を追加オーダー。

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お酒も追加。今度はどっしり系で行きたいなぁ〜と、これまた店主と共に味見させてもらって、「山廃仕込辛口 田林」をチョイス。

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すると、合わせるべきは逆にさっぱり系の肴になりますね。「ハモちり」(700円)です。

この辺りになってくると、やや深い時間になり、常連客の皆さんがぽつぽつと入って来ます。
ひとり客か、ご夫婦、年齢層はやや高めか。
こんな入りづらい隠れ家酒場なのに、けっこう女性客がいらっしゃるのはちょっとびっくり。

そして、そんな常連客相手にも、店主はお酒を自ら味見し、会話し、料理をし、順調に提供が遅くなって行きます。
ああ、こういうことかと納得しつつ、自然に私も常連客の皆さんの会話に交じるこの雰囲気。私は好きよ。

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入りづらい、隠れ家的な和食割烹小料理屋。
その存在に気づき、階段を上がる勇気のある者だけが体験できる、選ばれし者達のゆるく、しかし程よく距離感を持ったオトナの店。「東京スズメ」の私の印象はそんな感じ。

 ――それにしても、おいしいだけじゃなくって、料理きれいに作りますよね。

 店主「だから時間かかっちゃうんでね。オーダー混んだら、適当に作りますよ」

 ――またまた、そんなこと言って。

 店主「バレない程度に、適当に。バレたらそのお客さんは来なくなるだけだし。ハハハ」

店主のマイペースでとぼけたトークセンスは、ハマる人にはハマりそう。


★またある日の「東京スズメ」

つまり、私はハマった側。また別の日に来てみれば――

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フードメニューはほぼ被ってません。日々変わる。アレ食いたかったなと思うメニューは、その日食べないと次の出会いは無さそうだ(笑)。

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この日のお通しは枝豆。まずはビールから。

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刺身は「カツオタタキ」(780円)。

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野菜分は「冷やしトマトとアスパラ味噌ドレがけ」(550円)で補給。

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合わせる酒は、また全然違う銘柄がたくさん並び、店主の味見トークを聞きながら、結局順番に飲んでいく。
1本ずつしか仕入れないので、無くなったらまた別の銘柄を買うというスタイルで、フードメニュー同様日本酒もここでは一期一会なのだ。

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冷たい日本酒にガッツリ系もよし。「スペアリブと大根の炊き合わせ」(750円)……って、大根どこだ? 大根だけ品切れだったのかな? それともスペアリブの後に隠れてたのかな? まあ日本酒を次々と空けて、記憶が少し曖昧だ。

この日も店主は、客のお酒のオーダーにかこつけ味見を繰り返し、のらりくらりと客と会話し、仕事してんのかなーと思いきや、いきなり美しく盛ったおいしい料理を出してくる。
そしてまたカウンターの中で酒を飲み、ひょうひょうとふるまう。

おいしくて美しい料理、一期一会の日本酒、知っている人だけが知っている隠れ家酒場。魅力はいろいろあるけれど、一番強いのは店主のキャラクター。お客様第一できちんと仕事をするものの、最終的には店主がどれだけ気持ちよくいられるか――店主ファーストな接客スタイルは、客を選ぶこと間違いなし。

いや、私は個人店舗はそうあるべきだと思うし、少なくとも通う気満々な私の琴線に触れる店。店主に嫌がる顔をされない限りは、ちょっと通ってみようかなと思ったり。

(……なーんてブログに書いたことバレたら、さっそく嫌な顔されたりするかなーと心配でもあるんですがw)

【店舗情報】
名称:東京スズメ
住所:東京都杉並区阿佐谷南1丁目35−2 ル・シャポー多丸家ビル 2F
営業時間:18:45〜11:00(LO10時)月曜・第1、3、5日曜定休


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