- 2015年11月12日12:00
comicoの編集部に行って来た!マンガ原作者ゆえに気になる「comico」の今後
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少しでも日々の生活が“仕事”に繋がれば……と考えているマンガ原作者、猪原賽ですこんにちは。
先日知人の編集者が「comico編集部(NHN comico)」を見学しに行くと言うので、無理やり連れていってもらいました。写真はNHN comicoの入っているビル「虎ノ門ヒルズ」からの夜景の眺めです。
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★NHN comicoに行って来た
虎ノ門ヒルズの上のほうに、「NHN comico」はあります。
数多くのIT企業が入っている虎ノ門ヒルズ。スーツ姿のサラリーマンが多い中、「comico」では私服姿の社員さんが多いのは、やはりゲーム会社が母体であるのと同時に、マンガを手掛ける“出版社”でもあるからでしょうね。
私は15年、作家として多くの出版社と関わって来ていますが、編集者のスーツ姿なんてパーティでしか見たことない。(営業さんやものすごい上層部のことは知りませんけどね。)
ただ、そうなると気になるのは「勤務時間」。夜型の多い作家さんを抱える編集部・編集者は自ずと夜型になり、昼を過ぎても出社していない担当さんもこれまで多くいましたね。
では、comicoはと言うと、そこはやはりIT企業の一角なのでしょうか。「基本は10時始業」なんだそうですよ。
★作家ゆえに、あまり聞くこともなかった
冒頭に述べたとおり、今回は知人の編集者の「見学」に付いて行っただけなので、編集者と作家担当(comicoでは編集者にあたる)の会談や雑談に、なぜか私、「作家」が一人混じっている状況。向こうも「何でこの人いるのかしら」という状況だったのではないでしょうか。それにブロガーとしても正式な取材ではなかったため……
- 編集長の部屋(6)前編:comico 北室美由紀編集TL-2~3年でサービスを辞めてしまうようなことは、絶対にないです!(トキワ荘プロジェクト)
- 「面白い」から「楽しむ」へ。『NHN PlayArt』稲積憲が挑む、スマートフォン時代のマンガサービス 前編1/2(ホリエモンドットコム)
- スマホ漫画は“コミュニティ”が核--稲積社長に聞く「comico」の1年半(CNET Japan)
じゃあなんでブログに書く?
NHN comicoの中に入ってこの夜景を見て来たよ! というだけの自慢です。
★しかし作家ゆえに気になる「comico」の今後
ただの「自慢」で終わっても仕方がないので、「comico」に関する雑感を述べておきます。あくまで私・猪原賽の私見であり、今回の「見学」とは関係ありません。「スマホで表示するのに適した縦長の構成のフルカラーマンガ」――これがcomicoのコンセプトであり、サービスのUIになってますよね。
スマホ世代の若年層にはウケているが、それが既存の作家にとっては難点で、
- 2ページ構成じゃないの?
- 白黒じゃないの?
- 雑誌じゃないの?
- (紙の)コミックス出るの?
ですが、こんなお知らせもありました。
comicoが出版事業に進出 オリジナルレーベル「comico books」創設(ITmedia|8月7日報)
comico連載作品の書籍化はこれまで、作品の内容などに合った出版社から刊行されることが多かったが、レーベルを設けることで、交渉などの交通整理を図り、書籍展開を加速させることが目的とみられる。
第1弾として10月10日、『傷だらけの悪魔』(澄川ボルボックス)、『パステル家族』(セイ)、『和おん!』(りょく)の3作品を出版。価格は いずれも740円(税別)で、B6判オールカラー、この3作品は双葉社に販売委託する形で出版する。以降は、毎月12日に3~5作品を出版していく予定。
comicoに連載されているものの、様々な出版社からそれぞれのレーベル内で発売されていたコミックスが、「comico books」のレーベルで統一する。販売出版社はバラバラで、今まで書店で「同じレーベル」として固まったいなかったゆえに、それぞれの作品が「comico」発のコミックであることの認知度を下げていたきらいがあります。
そこを統一レーベルにすることで、今後も書店での置き方、置かれ方も変わってくると思われます。
もうひとつこちら。
櫻木れが『彼氏くんと彼女ちゃん』 comicoノベルから初の書籍化(ITmedia|9月5日報)
NHN PlayArtは9月4日、同社のスマートコミック&ノベルサービス「comico(コミコ)」のcomicoノベルから『彼氏くんと彼女ちゃん』(櫻木れが)を書籍化すると発表した。文庫本の形式で、11月12日に双葉社へ委託する形で販売する。価格は583円(税別)。
LINEのような縦スクロール、バルーン(吹き出し)表示によるノベル形式が話題になったcomicoノベルも、通常の文庫本としてのレーベルが始動。
つまり、マンガにしろノベルにしろ、第一次発信こそスマホに適した縦スクロールであろうと、着地点としては「書店に置かれる」こと、それに適した形で提供されている。
そして第一次発信だけ見ても、「comico」スマホアプリDL数は1,000万DL以上。一概に比べることは出来ませんが、最盛期のジャンプの部数を超えています。
さらにcomicoのもう一手は……
大人の読者向け新サービス「comico+(仮)」年内スタートへ(ITmedia|9月1日報)
サービスの成長とともに多様化したユーザーのニーズに応えるため、リニューアルの実施およびcomico+(仮)の提供を決定した。 comico+(仮)は推奨年齢を18歳以上とし、より豊かな表現の作品を幅広いジャンルで展開していく。comicoの連載作品からも一部移籍するが、ノベルは掲載されない。推奨年齢を「18歳以上」とする新サービス「comico+(仮)」を年内開始。これはレーティングとしての「18禁」ではなく、「青年誌」ジャンルの開拓という意味に取るほうが正解でしょう。
「無料」ゆえに通学電車内の暇つぶしとして、中高生(若年層)のユーザーが多いと聞くcomico。さらにマンガをずっと読んで来たオトナが読むに足る「青年誌」ジャンルの拡充。
これは「これまでのマンガと違う」と、「これまでのマンガ家」が、感情で敬遠するには、もったいない話なのでは……と私は思うのです。
えー、つまり、comicoでなんか仕事できねえかな俺。
comico
http://www.comico.jp/
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