- 2015年10月23日17:00
目指せ!電子出版で印税100万マンガ家!「きんどるどうでしょう」きんどうさんがブチ上げた電子書籍業界活性・仰天プラン
当ブログはアフィリエイト広告を利用しています
(画像はきんどうりさいくるより転載)
マンガ原作者の猪原賽です。マンガを電子書籍で読む……というのがイマイチ普及しない一因には、作家本人が「マンガを描くことだけに集中」し、その他の営業は出版社が行うシステムが現状無難だからだと私は思っています。
そんな中、Kindleアフィリエイターのきんどうzonさん(@きんどるどうでしょう)が、恐ろしくビッグな、電子書籍普及キャンペーンを発表しました。【1月にお餅をテーマにマンガを書いていただければ、マンガ家さんが印税100万儲かるまで無料で働きます。】と彼は言うのです。
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★マンガ家はマンガを描いていればいい時代は終わった
マンガ家は、自分の作品をマンガ雑誌に掲載し、原稿料をいただく。それが手塚治虫の時代からのマンガ家の当たり前でした。その後「コミックスを発売し印税をもらう」ことが加わり、マンガ家の仕事とは、出版社(雑誌)に作品を提供し、掲載された分の原稿料+コミックスの印税が主な収入となる。
……が、昨今の出版不況にネットの台頭。「雑誌に作品を掲載する」以外の発表ルートが固まりつつあるのも、皆さんご存知のことでしょう。
ブログで発表する。WEBサイトで発表する。スマホアプリで発表する。そして、Kindle始め、電子出版として自分で発売する。
・ブログの例→個人ブログで発表し、後に文庫化
法廷画家・榎本よしたかのエッセイコミック「トコノクボ」で学ぶ、クリエイターなら実践すべきたった2つの事
・KDPでセルフパブリッシングの例→徳光康之の「キンドル始めました!」
雑誌で連載を抱え、ビッグタイトルがメディアミックスされる作家は良いのです。これまでの方法でも、もう充分稼ぎ、これからも仕事を続けて行けるでしょう。
ネット発信だったものが口コミで話題になり、コミックス化される。そんな様子も最近見られますよね。
ですが、そんな幸せな例はごく一部のことで、多くのマンガ家は、出版不況にコミックスの売上が伸びず、1巻のみで2巻以降の続きが出ない例や、そもそもコミックス化されず、まったく人の目にも触れずにひっそり終わる作品も多い。無料マンガサイトやアプリでは、有象無象のような作品が生まれ、埋もれていく……
『ガンロック』第2巻以降の発売は現状未定です(その経緯や謝意とお詫び)
そうして埋もれていくマイナーな作家は、今後どうなるのでしょうか。どうするべきなのでしょうか。
私はその打開策が、「電子書籍セルフパブリッシング」だと思っています。
発表する場が無いのなら、自分で作ればいいのです。電子書籍として個人的に売ればいいのです。
ただしそれは、「電子書籍」という市場がもっと大きくなり、きちんと作家への「収入」が見込めねばなりません。
作品を発表することだけなら今は、どこでも出来る。しかしそれが収入とならねば「プロ」として食って行くことは出来ないのです。
自分ひとりで、WEBで、電子書籍で……作品を発表するには「マンガを描く」こと以外の「営業」も、WEBを始めとした各メディアを駆使し、自分でしなくてはならない――
★マンガに限らず、“Kindle作家”の現状
最近、電子書籍(特にKindleに限って)こんなWEBインタビューがありました。Amazon電子書籍って儲かるの?作家・架神恭介に聞いてみた
ここには、プロの作家である架神恭介氏の、Kindle限定で出版した自作についての真実の吐露があります。曰く……
── で、どうなんですか。Kindle稼げるんですか。鈴木みそさんとか景気のいい話を聞きますけど。
稼げないよ。全然稼げない。
── 前からKindleはやってますよね。これまで何冊出してるんですか?
計4冊。最初に出したのが『作ってあげたいコンドームごはん』。これはかなりネット上で話題になったね。
で、最近になってダンゲロスの短編集を3冊出してる。これは本命の『1969』を売るための助走。短編集を出しながら、宣伝のたびに「Kindleはスマホでも読めますよ!」って連呼してんの。ほら、Kindleは専用機でしか読めない、って思ってる人、まだたくさんいるじゃん。肌感覚的には3人に1人くらいはそう思ってるじゃん。
── 『コンドームごはん』は売れたんですか?
先日、ちょうど発売から一年経ったので集計してみたのよ。ズバリ、一年で売上が352冊。
── おー、冊数的には結構行ってるんじゃないですか?
いやでも、本とか紙で出したら1000〜2000冊くらいは売れるじゃん。あれだけネット上で話題になって、テレビでも取り上げられて、海外でもニュースになって・・・それでも352冊なんだよね。
── 右肩上がりに売上が増えてるんですか?
ううん、超低空飛行。墜落しない程度に地面スレスレを飛んでる感じ。月に1000円入るとかそんくらい。でも、一年経過しても月に1000円入ってるから、もしかすると、これからずーっと毎月1000円入るのかもしれない。それだと年金感覚で悪くないかな、って。
── どうやって1000冊売っていくんですか?
Kindleは宣伝力の限界が本当にネックだよね・・・。
読者に「新作が出たぞ」という情報をそもそも届けられないんだよな。ブログ、ツイッター、フェイスブック・・・。手軽にできる宣伝手段は当然全部や るとしても、まだ足りない。漫画版のダンゲロスは20万部売れてるから、そこの読者層に情報が届けば1000冊行けると思うんだけれど・・・。
ちょっとインタビューをかいつまんでいるので、途中文脈抜けてます。正しく架神恭介氏の主旨を汲み取りたい方は、コチラへどうぞ。
これを引用して私が何を言いたいかと言うと、結局個人には限界があるっていうことです。特に、マンガ家という職業だと、(一部のトップレベルの作家を除き)マンガを描く以外にネットで営業するコネも技術もなければ、時間もない。そしてそれをやったとしても、やっぱり売れない現実・限界はあるということ。
★ここで本題!きんどうさんが動いた!
(画像はきんどうりさいくるより転載)
「きんどるどうでしょう」の主宰・きんどうzonさんは、Kindle本を紹介しアフィリエイトで稼ぐブロガー。アフィリエイトと聞くとアレルギー起こす方もいますが、きんどうさんはそもそも「Kindle=電子書籍」の普及も目論む、業界の活性化を考えてらっしゃいます。
そんな彼が先日ぶちあげたプランが……
【1月にお餅をテーマにマンガを書いていただければ、マンガ家さんが印税100万儲かるまで無料で働きます。】
こちらのエントリーから、一体彼が何をしようとしているのか引用して書き出すと……
プロ・個人マンガ家とその道のプロたちが趣味の領域で本気だして、電書界地獄の最前線Kindleコミックカテゴリーに混沌を生み出したら大手も本気になるんじゃね? 的な
(画像はきんどうりさいくるより転載)
・アマチュア・プロに限らず個人のマンガ家に【テーマ】に沿ったオリジナルコミックをKindleでセルフパブリッシングしてもらう。
・主旨に賛同する広告・営業のプロにWEBプロモーションの手伝いをしてもらう。
(賛同者がいなければきんどうさんが一人でする)
・作家がそのKindle作品の印税100万円稼ぐまで続ける。(1年計画)
つまり、
マンガ家さんのメリットは「電子書籍を売るノウハウが手に入る」「Webでの知名度が高まる」「ちゃんと印税がはいる」。デメリットは「ショボい作品をだすとアレ」「出版社との関係が場合によっちゃアレ」「恐らく労力の割にあわない」(……ま、描きおろしですから創作同人誌の延長でOKと思いますが。)
広告・宣伝屋のメリットは「これからの市場である電子書籍に ついての経験が手に入る」「自分の経験を趣味的に使って感謝される」「もしかしたら大物や、これからの大物と縁ができるかも」。デメリットは「まったく金 にならない。たぶん、一番金にならない」……後述しますが、儲けの手段が現段階でまったく思いつかないけれど、一番重要なポジションです。
業界問わない営業のプロ・アマたちのメリットは「お小遣い程度が手に入る」「自分の気に入った商材を作っている ところから見れる」。デメリットは「そんなに儲からない」。ネットでお金が欲しいなら保険や美容とかを取り扱った方が楽ですぜ。自分が応援して関わった作品が順位を上げたり、話題になったりすることに喜びを見いだすのが最大の報酬かと。ちなみに、わたしもこのポジションです(本気で儲けを狙うガチ勢ですけどね)。
こうした電子書籍界が活性化するために、各界のプロに、協力を募りたいと言うわけです。
しかしこのプラン、まず最初にマンガ家にマンガを描き、セルフパブリッシングしてもらう必要があるわけで……
★賛同するマンガ家は何をする?
・2ヶ月に1回ほどのペースで書き下ろし【グルメ】マンガを描いてください。
→ みんなでテーマを揃えたいので2016年1月は【餅】でお願いします。16〜32Pほどはあったほうが売れます。食べるだけじゃなく、作るのも、それにまつわる恋愛でも冒険でも【餅】が物語のキーになれば大丈夫です。*スケジュールの都合で1月にはとても間に合わないという方がいらっしゃるため、3月は【ラーメン】、5月は【乳製品(5月病に効くので)】、7月は【冷やし中華、冷麺、素麺など冷たい麺類】で募集します。
*通算何回する予定なの? 全部参加しなきゃダメ? という声もありますが、1回だけでも大丈夫ですよ。
1月に【餅】、3月に【ラーメン】、5月に【乳製品】、7月に【冷やし麺】……2ヶ月に1度、決められたテーマに沿って、16〜32ページのマンガをセルフパブリッシング。それがこのプランに賛同するマンガ家がするべきこと。
そしてその他にも……
・広告、宣伝屋さんが考えたブログやソーシャルメディアを使ったプロモーションにできる限り協力してください。
→ 広告のプロとはいえ、予算があるわけじゃないので著者が直でやったほうが効果的なんで。この裏テーマに【自立】があります。今回、一番儲かって未来に繋がる可能性があるのはマンガ家なんで、マジでお願いします。
何もマンガ家に100万円のKindle印税をもたらす事が、きんどうさんの目的ではないのです。こうしたプランに乗っかって、マンガ家に、セルフパブリッシング(≒電子書籍)という手段で稼ぐノウハウを身につけて欲しい。そしてそれが、電子書籍業界を活性化させ、読書文化として根付かせるキッカケになれば……と彼は言うのです。
マンガ家の皆さん、これ、超参加してみたくない?
★私も(原作者ですが)何か協力できるかな?
上の2冊のマイナビからのKindle書。これはもともと、私がKindleセルフパブリッシング(KDP)で出版していたものを、マイナビさんから出版し直ししてもらったものです。マンガではなく、マンガの原作シナリオをまとめたもので、やはり売れておりません。
(上巻は99円の格安価格であっても、販売部数は200部に届いていません。)
しかし、KDPのアカウント、残っております。若干変則的ですが、私も【餅】あるいはその後に続く【ラーメン】【乳製品】【冷やし麺】をテーマに何か原作を書き、マンガ家さんにマンガを描いてもらう形でこのきんどうさんのプランに参加出来ないかな……と考えています。
★マンガ家以外にも営業・広告マンの協力求む
このプラン、マンガ業界以外のWEB広告屋さんの協力がなければ立ち行かない上に、そもそもマンガ家が賛同してオリジナル作品をセルフパブリッシングしなければ始まりません。電子書籍の印税だけで年間100万円稼ぐマンガ家をみんなで生み出すプロジェクトをはじめるよ
表題のとおりなのですが、電子書籍だけで年間100万円の印税を稼げる作家さんをみんなで生み出そうという計画をたてようと思いまして。具体的にはマンガ家さんが書いた作品を「おまえをベストセラーにしてやろうか!」と、出版と関係ない他業種のプロが集まって寄ってたかって新しい電書の売り方を模索できればなぁと。
そこで本記事を通じて地獄の悪魔と手を結ぶマンガ家さんと疲れ知らずの広告屋、そして出版他業種の営業マンといった特攻野郎を集めたいというのが本記事の趣旨です。
なんでこんなことするのかといえば【このまま日本市場が出版社主導ですすむと、電子書籍は紙の代替でしかないから、そう遠くないうちに市場が縮小しそうなんで読者に近いコンテンツ・クリエイター側でもっと混沌を生んだ方が面白い】なんてのが理由です。
各業界の方、ぜひきんどうさんの2つのエントリーをご一読いただき、検討してみませんか?
詳細は下記リンク先で! 賛同し参加したい場合も、どうコンタクト取ればよいかも書いてあります。
◆電子書籍の印税だけで年間100万円稼ぐマンガ家をみんなで生み出すプロジェクトをはじめるよ
◆1月にお餅をテーマでマンガを書いていただければ、マンガ家さんが電子書籍で印税100万儲かるまで無料で働きます
◆電子書籍で【餅マンガ】描いてマンガ家さんに印税100万円を稼いでもらう企画についての質疑と応答
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