- 2015年09月15日17:00
猛毒!「フグの卵巣」を食べちゃう日本人の知恵(とそれまでの犠牲者)が気になる
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これはタラコじゃありません、「ふぐの卵巣」です。つまり、猛毒です。
本来食べちゃいけないはずの「ふぐの卵巣」を、どうにかして食べてしまおうという乱暴かつ繊細な食材「河豚の卵巣の糠漬け」を紹介しますよ。

とある飲み屋でメニューに見慣れないものを発見。
右下に「珍味ふぐらんそう漬」。
フグの卵巣!? それって食べちゃダメな奴じゃないの!?

マグロの刺身と共にいただいてみました。左手前が「ふぐらんそう漬」。
正式には「フグの卵巣の糠漬け」あるいは「フグの子糠漬け」と呼ばれる、石川県の郷土料理。
Wikipediaから引用します。
河豚の卵巣の糠漬け(ふぐのらんそうのぬかづけ)は、石川県の郷土料理である。河豚の子糠漬けとも呼ばれる。
フグの卵巣には、肝などと同様に致死性の高い毒素であるテトロドトキシンが多く含まれているため、そのままでは食用にできない。
しかし、石川県白山市の旧美川町地域、金沢市の金石、大野地区では、その卵巣を2年以上にもわたって塩漬けおよび糠漬けにする事で、毒素を消失させ珍味として販売している。なお、新潟県佐渡市(旧・佐和田町)には河豚の卵巣の粕漬けという似た料理がある。
食品衛生法により食用が基本的に禁止されている卵巣を、この加工法で食品として製造しているのは、日本全国でこの美川、金石、大野地区のみである。なお、味は濃厚で米飯とともに食べたり、酒の肴として重宝されている。
(傍線筆者)
その製造は免許制となっており、石川県の限られた地域のみで生産され、また石川県の予防医学協会による毒性検査を経て、出荷されるという文字通りの「珍味」。
そもそも「食品衛生法」で食べること(加工すること)が禁止されている「フグの卵巣」を免許制とは言え例外的に許されている……というのは、やはり加賀百万石の謎の<特例免許・独占>の伝統ゆえにでしょうかw
(関連)金箔の生産日本一!金沢ならではのお土産「金箔ラスク」
江戸時代、金箔の生産は幕府の独占だったものの、加賀藩は金箔を密造しつづけ(笑)、最終的に幕府から免許を獲得。漆器や仏壇等、金箔を多く使用する産業も近場にあったことから、金沢は長年に渡ってほぼ独占的な金箔の生産をし続けて来たという歴史がある
また、フグの毒がなぜ、糠漬けにすると消えるのか、その仕組みは未だに謎とされ、毒性検査というのも「マウスに食べさせて」検査するというのだから命がけです。

さて、そんな「フグの卵巣の糠漬け」。糠漬けではありますが、塩がかなり強く、しょっぱい。ちびりちびりと少しずつ齧っては飲み、齧っては飲み……同様に珍味とされている発酵食品「豆腐よう」ほどの臭さやエグみはありませんので、かなりしょっぱいタラコ、といった味わいです。

レモン汁をかけるか、日本酒に付けて食べるのがオススメだそうで、個人的には「日本酒に付けて」が美味しいと思いましたね。塩味がいくぶん酒のほうに流れ出て、いい具合にまろやかになります。
塩分が染み出した日本酒をぺろりと舐めるのもうまい。
それにしても、フグですよ。ヘタに調理して死んじゃう人もいるんですよ。そんな毒性の強い魚の、特に毒が強い内臓を……
「糠漬けにしたら毒が減った! うまい!」
という発見に至った過去の金沢の人々よ。
その成功の陰に、一体どれだけの犠牲者がいたのか。わたし、気になります!w
※免許を持たない業者の「フグの卵巣の糠漬け」を食べて食中毒を起こした事例もあるそうなので、ご注意を。
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