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あなたの暮らしのためになる(?)漫画原作者・猪原賽が発信する中央線ライフブログ

  • 12:00

高円寺DEEPスポット探訪・1,000円で居放題!持ち込み自由!カラオケも無料!居酒屋「ふるさと」

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完全に客の出入りを拒む風貌の、高円寺・居酒屋「ふるさと」。

え、これで営業してるの!? と困惑すること必至。しかし、確かにここは営業しているし、楽しみ方も自由! なんと酒・食べ物、持ち込み自由。1,000円の<場所代>さえ払えば時間制限無しで居放題。


指折りの高円寺DEEPスポット「ふるさと」

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高円寺南口、中野寄りの小さな飲み屋街の一角。植木に囲まれ人が入ることを許さない雰囲気がありますが、ここは高円寺で最もDEEPと言われているスポットのひとつ。

ボロくなった歴史ある建物の中には、明かりがひとつ付いているだけで、客も居なければ店員も居ない。

本当にやってるのか……!? と恐るおそる扉を開けてみると、スルッと開く。中に入ってみましょう。


気分は「不法侵入」www

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人んちの居間か!? と呆然と立ち尽くす、この日の連れ。

男3人で意を決して中に入ってみると、雑然とした店内。いや、店内……?

確かに席のようなテーブルが用意されているし、カウンターもあるのだが、奥の座敷には布団が敷かれ、生活感がモリモリ。

俺ら間違って、「既に営業を辞めた店に住む人の家」に上がり込んでしまったのでは? と困惑。すると一人が「大丈夫だ!」と指を差す。

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お客様へ
こちら不在の時は、大変お手数ですが店内中央のインターフォンでお知らせ下さい

ふるさと
間違いない。営業してるぞここ!!w

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この、壁のインターフォンを取り、赤いボタンを押してコール。

すると、しばらくして誰か奥様の声がして、「今行くよ!」

1分もかからずに、店の裏からパタパタとやって来る店主と思しき奥様が。
以後、ご本人の希望で「ママ」と呼称させていただきます。


場所代1,000円、持ち込み自由

どう考えても調理が年単位で行われていないだろうな、という厨房。ここでどう居酒屋営業するのかと思いきや、

 ママ「出て左にコンビニがあるから、何か食べたいもの、飲みたいものあったら買って来なさい」

 ――え。

 ママ「ここは1,000円の場所代いただければ、あとはお好きに。飲み物も食べ物も何でも持って来ていいわよ」

 ――(居酒……屋…………?)


なんと、「ふるさと」は現在、きちんと居酒屋としては機能していません。場所代1,000円さえ払えば、好きに過ごしていい、なんというかフリースペース? 貸し会議室? いや、部室……?

近所のコンビニやスーパーで買い込んだものを自由に持ち込んで、仲間で酒盛りする「宅飲み」の「宅貸し」みたいなシステムなんです。しかも、時間制限無し

さらにそれに加え……

 ママ「そうだ、アンタ達、カラオケする? 良かったら裏の店、来ない?」

――裏ァ!?



姉妹店・カラオケスナック「萩」もシステム同じ

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ママ「こっち(ふるさと)は店内がガチャガチャしてるから、裏の店のほうがキレイでいいわよ? カラオケも出来るし」

と、せっかく勇気を出して入った高円寺DEEPスポットに3分といられず、ママに押し切られた形で、我々は店の裏手の「スナック萩」に連れて来られる。

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まだまだ昭和の香りを引きずっているとはいえ、確かに「ふるさと」よりはキレイ目な「スナック萩」の店内。でも、ここ、スナック……。お通しというか、チャージ料金、お高いんでしょう?

 ママ「心配しないで。こっちもあっちとシステムは一緒。1,000円だけいただければ、持ち込み自由で居放題。カラオケも無料」

 ――えっ。

 ママ「はい、ゆっくりしていってね」



スナックで「宅飲み」状態

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というわけで、一同一度席に就いてから、「買い物行きますか」と、近場のファミマで買い込んで来た、つまみと酒。完全に宅飲みです。ありがとうございました。

ただしそこはきちんと「お店」。ママはおしぼりにコースター、グラスや箸を提供してくれて、乾き物はざっとまとめてセッティング。

ママ「あら、それでお酒足りるの? 足りなかったらビールなら追加料金で出せるからね」

と指差す方向を見ると……

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ご自由に開けてください状態の冷蔵庫が席の後ろに。

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「お代はここに入れてね」の、セルフサービスシステムw

 ママ「じゃああたしは上か、あっち(ふるさと)で寝てるから、用事があったらインターフォンか、呼びに来てね」

 ――ファッ!?


と、ママさえ居なくなり、完全に「スナックで宅飲み」モードかと思いきや、ママさんはお茶を飲んだりテレビを見たり、結局我々と対岸のカウンターに座っている。

面白いのでこの店(萩? ふるさと?)の歴史を聞いてみると……


「ふるさと」は40年の老舗

以下は、ママさんから聞いた「ふるさと」の、そしてママさんの歴史です。

ママさんは娘さんを音楽大学に入れる為に夫婦で上京。夫婦共々昼間は普通にサラリーマンとOLをし、夕方から居酒屋「ふるさと」を経営。

「ふるさと」は焼き鳥居酒屋として始まり、さらに激安価格の大皿料理で瞬く間に高円寺人気店にのし上がる。

店は毎日満席の大盛況で、ダブルワークしていたこともあり、かなり稼いだママさん夫婦。ある時、今我々のいる「スナック萩」になる建物が売りに出され、購入。「萩」として改装開店。

旦那さんがお亡くなりになってほぼ引退を決め込んで、現在の営業形態に。「スナック萩」は娘さんの店になっている。

 ママ「その娘も今や60歳。あたしにゃ成人した孫もいる。そこから考えれば、あたしの年齢は……」

 ――わかります! お元気ですね!


自分は年齢を隠しボヤかしたのに、今ここに居ない娘さんの年齢はバラすママさん。「萩」が娘さんの店というのは、そんなママさんに育てられ、無事音大を卒業した娘さんが、ピアニストとして活動する一方で「萩」で昼間、カラオケ教室をやっているんだそうで。


完全に「田舎のおばあちゃんち」のロールプレイ状態

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都合、3時間ほど「萩」に滞在し、お話を聞いていた我々。(写真はサービスでママさんが出してくれた漬け物。)

その途中、一人のおじいさんが客として来たきり、他にはお客さんは居ません。

 ――繁盛していた頃の「ふるさと」や「萩」の常連さんは来ないんですか?

 ママ「繁盛してたのは当時学生寮や劇団が近所にあって、彼らが来てくれてたからよ。今はどっちも無くなったし、40年も経てば常連の人は……」

 ――(物理的に居なくなる……??)

 ママ「一ヶ月に1度、来るか来ないかね。それにしてもあなた達、良く来てくれたわね、ありがとう」


そろそろ……と我々が退店を告げると、ママさんは寂しそうに「もう帰っちゃうの?」と残念そうにしながらも、また来ますと告げると「ほんと? うれしいわぁ」とパアッと笑顔に。

完全に「田舎のおばあちゃんちに来てすぐ帰る孫」状態の我々。非常に申し訳ない気持ちで1,000円だけ払って帰宅。

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また来なければ! と決心すると共に、みんな行けよ! という希望を込めてレポートを皆さんにお届けした次第。

特に定休日も無いし、19時以降なら確実に「インターフォンに出る」そうですw

怖がらず、この店の中に入って下さい! インターフォンどころか、ママが寝てるかもしれないけど!

ふるさと
東京都杉並区高円寺南4-10-2


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