- 2015年04月29日12:00
『スター・ウォーズ』ノ・ミカタ。エピソード5:はるかかなたの銀河系(後)
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昨夜に引き続き、『スター・ウォーズ』世界観における宇宙と星について。前編は「銀河系」の概略と共に、「旧三部作」に登場した星々を紹介いただきました。後編は「新三部作」に登場する星々を紹介してくれるそうです。それでは寄稿者のまじさん(@mazy_3)、よろしくお願いします!
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まずは前編でも触れた「銀河系」の概略図をもう一度見ておいて欲しい。今回の後編でも、この図に沿って星々を紹介していく。
⑧ナブー
登場エピソード:1,2,3,6
<水と緑の惑星>
<水と緑の惑星>
ミッド・リムの中でもアウター・リムの近くに位置し、銀河共和国の中ではコルサントから最も遠い惑星である。海洋が地表の85%を締め、陸地には多数の沼や湖が存在する。比較的古い惑星で、中心部のマントルは冷えて固まっており、溶岩質の多孔性の岩で構成されいる。従って沼や湖などは、そのほとんどが巨大な洞窟で海洋と繋がっている。海洋は多様な生命が棲んでおり、危険で巨大な生物も棲息している事から、海底洞窟はほとんど探索されていない。
この星のもう一つの特徴は、地底で起こるイオン反応により天然のプラズマが発生していることだ。ナブーの宮殿には巨大な動力発生機があり、地底に眠るプラズマを採掘し、安定させたプラズマをエネルギーとして精製している。プラズマ・エネルギーは、貯蔵され、都市全体へ送出している。余剰分は輸出され、この星の経済を潤している。
クワイ=ガンとオビ=ワンがダース・モールと戦った場所は、このプラズマ採掘プラントである。
陸地には美しい自然の中に入植した人類の文明があり、海底には両生類の先住民族グンガンが、バブル技術を駆使した海底都市を築いている。
かつて人類がこの星に入植した際、グンガン族との遭遇で不幸な事件があり、以来二つの文明は何千年ものあいだ対立関係にあった。しかし通商連合によるナブー侵略が始まると、両文明は同盟関係を築き、友好な関係となった。
⑨コルサント
登場エピソード:1,2,3,6
(http://static1.squarespace.com/static/50993219e4b0d2694880ff68/5099329fe4b0babc9253274a/5099329fe4b0babc9253276a/1317654829393/)
<共和国首都>
コア・ワールドに位置する銀河共和国の首都惑星である。惑星全てが都市で覆われており、樹木の代わりに高層ビルが無数に建っている。銀河共和国の政治的中心都市である。銀河帝国の勃興後はインペリアル・シティと改名され、やはり政治的な中核の役割を継続した。
ここには共和国の元老院議会の巨大な議事堂がある。議会は各惑星や宙域から代表する議員など1,000を超える議員から構成され、議員の投票によって最高議長が選出される。
また、ほど近くにはジェダイ寺院があり、ジェダイの訓練施設やジェダイ評議会などがあった。
ジェダイ評議会は12人のジェダイ・マスターで構成され、共和国最高議会に対して発言権を持っており、政治的な強い権限を有していた。軍隊を持たない共和国の紛争解決の特使として、ジェダイ・ナイトが派遣される事もあった。
何世紀にもわたって巨大都市へと華やかに発展していった高層社会だが、地下には何千年ものあいだ日光の当たらない前時代の建物が残り、迷宮化した暗黒街が広がっている。こうした下層レベルでは、当局の監視も行き届いておらず、犯罪の温床となっている。
⑩カミーノ
登場エピソード:2
(http://img1.wikia.nocookie.net/__cb20070915230531/es.starwars/images/9/97/Kamino-oleaje-bajo-Tipoca.jpg)
<海洋惑星>
アウター・リムの端に位置し、星図からも消されていた惑星である。嵐の星とも呼ばれる惑星カミーノは、一年中風雨にさらされた厳しい環境の星だ。温暖化により陸地の全ては海中に沈み、原住民は支柱に支えられた水上都市を作り生活している。
かつては陸地のある惑星であったが、この惑星は氷河期を経験し、陸地のが水没する悲劇を経験した。カミーノ人たちは自らの力で氷河期と大洪水時代を乗り越える適正生存の中で、自分たちの生存だけを考えてきた。道徳心を失い、自分たちこそが優秀な種族であるという優生学的思想を強めて来た。よって共和国の政治には関心を持たず、内向的な社会を形成した。彼らの「優秀な遺伝子だけが生存する」という哲学がクローン技術の研究を発展させていった。
この星の存在は、長きに渡りほとんど知られていなかった。何者かによってジェダイ公文書館から、その存在を完全に削除されていたからだ。
⑪ジオノーシス
アウター・リムに位置し、無数の小惑星で形成された土星のようなリングを持つ赤茶けた地表の惑星で、灼熱の太陽から降り注ぐ放射線は大地を容赦なく照りつけている。一見、生命の存在しない死の星のかと思われるが、この星の生命体は地下に隠れるように棲息している。海はなく、乾燥した大地のように見えるが、大地には水による侵食痕が見られる。
地下水が豊富であり、時折雨も降るが滅多には降らない分、ひとたび降り出せば山の形を変える程の豪雨となる。洪水にも流されない強力な赤茶けた藻が岩にこびりついており、それが大地を赤く見せている。
この惑星の生命体は爬虫類と昆虫のみで、知的生命体へと進化したジオノージアンは、飛行も可能な羽を持つ昆虫型エイリアンである。
リング状の小惑星は、時折隕石となり地表に降り注ぐ。そのため鉱物資源が豊富で、工業が栄えた。彼らの産業は、地下に大規模なドロイド工場を持っており、主に戦闘用のバトル・ドロイドを生産している。
⑫ウータパウ
登場エピソード:3
(http://img2.wikia.nocookie.net/__cb20100517090347/starwars/ja/images/3/30/Pg2_utapau_fork_bg.jpg)
<シンクホール(縦穴)の惑星>
アウター・リムに位置する、地表に大きな穴が無数に空いた惑星である。かつて存在した海洋は、マグマが作った地下空洞へ流れ込み、大規模な地盤沈下によって巨大な穴が形成された。この惑星の都市は、その「シンクホール」にへばりつくようにして築かれており、2つの知的生命体が共存している。
長身の灰色の肌をしたパウアンが主に管理階級、背の低いウータイ族は労働階級に属している。
共存関係は良好で、支配される事を好まず、長きに渡り共和国に属さず中立を保っていた。その容姿から誤解されがちだが、彼らは紳士的で友好的な民族である。しかしクローン大戦末期に、共和国からの離脱を表明した独立星系連合の侵略を受け、グリーバス将軍率いるドロイド部隊の秘密基地として強制的に協力させられた。その後、帝国の支配に置かれても、抵抗を続けた惑星である。
⑬キャッシーク
登場エピソード:3
(http://img3.wikia.nocookie.net/__cb20130212055736/starwars/images/b/b8/Kachirho.png)
<ウーキー族の惑星>
ミッド・リムにある、ウーキー族が住む惑星である。キャッシークには海と陸地があり、大気圏にまで及ぶ高さを誇る山脈を隔てて、砂漠地帯と森林地帯とがある。森林地帯には、高さ数千メートルにも及ぶロシュアの巨木が無数に生えている。
この星の原住民であるウーキー族は、その木の上層に集落を作り生活している。怪力で知られるウーキー族は、しばし奴隷として重労働に使役された歴史を持つ。銀河帝国がデス・スター建造した際にも駆り出され、多くのウーキー達が酷使された。
彼らは君主制の自治を持ち、中立の国家形態を維持して来たが、クローン大戦における独立星系連合の性急な要請に対して不信感を抱き、共和国への加盟を果たした。独立星系連合はキャッシークを戦略的拠点として侵攻するが、共和国軍と共闘してそれを退けた。この陣頭指揮には、ジェダイ・マスターのヨーダが自ら出向いた。
⑭ムスタファー
登場エピソード:3
(http://img4.wikia.nocookie.net/__cb20110218135813/starwars/ja/images/9/93/Mustafar.jpg)
<溶岩の星>
アウター・リムに位置するムスタファーは、まだ若い星だ。火山からは灼熱の溶岩が噴き出し、マグマの川が流れる地獄のような惑星だ。それでもこの星には大気が存在し、固有の種族が生存している。
彼らは流れるマグマをすくい上げ、貴重な鉱物資源を採取している。また、大規模な精錬工場を持っている。銀河系の主要製造業メーカーの連合テクノ・ユニオンがこの星の権利を持っており、銀河中の工業惑星に資源を輸出している。
独立星系連合は、ここを秘密の会合場所として利用していた。だが銀河皇帝の密命を帯びたダース・ベイダーの手により、独立星系連合はこの地で幕を閉じた。
その後、ベイダーはここでオビ・ワンと対決し、重傷を負った。全身火傷を負い、灼熱の大気をまともに吸い込んでしまった為、肺にも深刻な火傷を負い、手術の際に人工の肺に取り替えられる事になった。
⑮ポリス・マサ
かつて惑星だった小惑星帯。大気のないこの小惑星には、かつて繁栄を極めた文明があり、その発掘調査に来た考古学者のエイリアンたちが住み着いている。研究熱心な種族であり、共和国の事になど全く関心がなく、ひたすら発掘と研究に没頭している。発掘したものは人工物だけでなく、太古の細菌などもクローン培養して研究している。そのため彼らの探査基地は無菌状態を保っている。
以上の事情からこの惑星は、臨月の姫を連れたオビ・ワンと、コルサントから逃れ出来たマスター・ヨーダと落ち合う場所としては都合のいい場所だった。研究熱心な彼らの医療も当然の事ながら発達しており、パドメは万全の医療を受る事ができた。だが……。
さいごに
以上、主な惑星を登場順に紹介してみた。『スター・ウォーズ』では、これらの情報を知らなくても楽しめる作品であるが、それぞれの背景を知る事で、より深く楽しむ事が出来る。是非、参考にして頂きたい。なお、本日より六本木ヒルズの展望台・東京シティビューで「スター・ウォーズ展」が開催されている。実際に撮影に使われた衣装や小道具のほか、国内外のアーティストによるスター・ウォーズリスペクト作品など約100点が展示されている。6月28日まで。
上記の星々の事を頭に入れておくと、「スター・ウォーズ展」もさらに深く楽しめるかもしれない。
【エピソード6へ続く】
参考サイト:
スター・ウォーズの鉄人!
http://www.starwars.jp
Wookieepedia
http://ja.starwars.wikia.com/wiki/メインページ
【執筆・まじさん/編集・猪原賽】
***以上、寄稿文***
てか、けっこうネタバレ多くない? とはいえ、一度『スター・ウォーズ』シリーズを見ているはずの猪原さんも、へえ、そういう背景があったんだーと流していた部分も多く、確かに知っても知らなくても楽しめる映画だったわけですねぇ、『スター・ウォーズ』。
もう一回通して観ようかな〜。4→5→2→3→6の順で。(『スター・ウォーズ』ノ・ミカタ・エピソード1参照)
※「『スター・ウォーズ』ノ・ミカタ」連載は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開まで随時続きます!
(関連リンク)
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