- 2015年02月18日12:00
駄菓子屋でお馴染み!北海道銘菓「きびだんご」はなぜ延べ板状で名前も岡山銘菓と同じなのか
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皆さんの「きびだんご」は、日本のどこの郷土お菓子でしょうか。岡山。ふむ。確かにそのとおり。
ですが「北海道」という答えもあるのです。駄菓子屋でお馴染みの「きびだんご」と言えば思い出す、あの延べ棒のようなきびだんご。あれこそ北海道銘菓「きびだんご」なんですよ。
子どもの頃の駄菓子屋の記憶
それは、コレ。駄菓子屋でよく見かける「きびだんご」です。
オブラートに包まれた延べ板のような「きびだんご」。幼少の頃の「駄菓子屋の記憶」にある方も多いのではないでしょうか。
うん、こんな味だったわ。でも「だんご」がなぜこのような形状なのか、実際子どもの頃も疑問に思ってましたね。
ですが、オトナになって見ると、また別の疑問が。
「北海道銘菓」……だと……?
北海道出身者の”ふるさとの味”
この「きびだんご」。私の仕事場の仲間である北海道出身の方が、都内の北海道物産展で見つけて来たそうです。「なんだか懐かしくて買って来ちゃいました〜」と届いた「きびだんご」は、サイタマ出身者である私ですら、駄菓子屋の定番の味。
「え、北海道ローカルの菓子じゃなかったんですか? まあでも、全国区の味ということで良いことなのかなー。皆さんどうぞ食べてくださいー」と呑気に答え、
同じく北海道物産展で手に入れた「いかおかき」と共に、仕事場のフリーおやつに大量の「きびだんご」を提供する北海道人。
確かに製造者は北海道にある「株式会社天狗堂宝船」。めでたい名前だ。
そっか、「きびだんご」が北海道の味だったのか……。
そこで黙っていないのが中国地方出身者
その数日後。同じ仕事場のフリーおやつコーナーを覗くと……あれ? これ……もしかして……。
「『きびだんご』って、こっちですから!(怒)」と声に出してのコメントこそありませんでしたが、広島出身者の方が、無言でフリーおやつに提供していたもの。
ああ、これこれ!
「きびだんご」って言ったらコッチだろう? と言わんばかりの広島人の無言の抗議の思うツボです。
広島人は、同じ中国地方である岡山県の名物銘菓「きびだんご」を差し置いて、北海道の「きびだんご」がもてはやされるのが納得いかなかったのでしょうか?w
ちなみに……
岡山のきびだんごと北海道のきびだんごは全く別物
岡山の「きびだんご」は、漢字で「吉備団子」と書きます。『桃太郎』の昔話に出てくる「黍団子」とイメージが重なりますが、実はこれは後世のイメージ。現在岡山で名物として販売されている「吉備団子」は「黍」を使っていない、もし使っていてもごく少量であり、基本的には求肥のお菓子(羽二重餅)。
そこの辺りは深く掘り下げると、ちょっと大変な事になるので、とりあえず今は、
岡山のきびだんご=吉備団子(求肥菓子)
と覚えて下さい。
では、北海道の「きびだんご」は……?
北海道のきびだんごは「起備団合」
それはコチラ、北海道銘菓「きびだんご」を販売する天狗堂の公式サイトに解説されていました。
北海道銘菓として道民に親しまれてきた「きびだんご」は、岡山県名物の餅粉やきび粉を使った羽二重餅の「吉備団子」とは全く異なる、北海道独自のお菓子です。では、なぜ「きびだんご」という名前を付けたのか?
この名前は【事が起きる前に備え、団結して助け合う】から「起備団合」として発売されました。
北海道開拓にあたった屯田兵の携帯食に由来したことから、北海道開拓時の助け合いの精神と、「きびだんご」が誕生した大正12年に起こった関東大震災復興の願いが込められています。天狗堂宝船公式サイトより引用
ふむ、岡山の「吉備団子」とは違う独自の菓子。つまり、
北海道のきびだんご=起備団合(携帯食)
小麦粉ともち粉が材料で腹持ちがいい。北海道開拓の屯田兵の「携帯食」に由来するとあれば、延べ板のような形状はとても納得します。
ま、それはそれとして……
桃太郎のデザイン、「きびだんご」のひらがな表記。
どう考えても「起備団合」は後付け……というか、岡山の「吉備団子」、あるいは桃太郎の「黍団子」ありきのネーミングですよね?w
<廣榮堂>元祖きびだんご