- 2014年05月01日12:00
【中野ニュース】63年の歴史に幕「ヤマザキショップ中野新井店」閉店
当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

昨日、4月30日。中野の老舗コンビニエンスストアが閉店した。
ヤマザキショップ中野新井店。
デイリーヤマザキのような中規模以上のコンビニではなく、昔ながらのヤマザキショップ。営業も24時間ではなく朝7時から夜11時までの、まさに7−11コンビニだった。
筆者が中野に住まい始めた2004年から約10年の付き合いになるコンビニで、私はここの「手作りサンドイッチ」がかなり気に入っていた。
もうあのサンドイッチは食べられない。
創業は昭和26年。
当然創業時はヤマザキショップではなかっただろうが、この地に店を構えてなんと63年。
そんな長い店の歴史に昨日幕を下ろしたことになる。
在りし日の、ヤマザキショップ中野新井店の手作りサンドイッチ。
ヤマザキショップの一部では、このように店内で調理された惣菜を使った手作りサンドイッチを販売している店がある。
この中野新井店の近隣にはもう1軒ヤマザキショップがあるが、手作りサンドイッチを扱っていたのはココだけだった。
2004年。
筆者はこの近所に引っ越して来た。
このヤマザキショップが最寄りの”コンビニ”だった。
店内で揚げたさくさくでジューシーなメンチ、玉子とマヨネーズ以外使ってなさそうな、家庭の味のする玉子サンド。
この組み合わせが筆者にとっての黄金コンビ。
この玉子・メンチサンドを週に3、4回買って食べていた。
このサンドイッチが、もう食べられないのだ。
今では私はここから離れた場所に引っ越してしまったが、このヤマザキショップを今も利用していた友人が、「4月末で閉店するそうだ」と連絡してくれた。
私はいてもたってもいられなくなって、久々に「ヤマザキショップ中野新井店」を訪れた。

4月30日、午後9時。
もう営業はあと2時間を残すのみ。
店内はがらんと商品が少なく、残念ながら私が好きだった「手作りサンドイッチ」は無かった。

賞味期限が近いわけでもないのに「20円引」シールの貼られた「まるごとソーセージ」を購入し、ほとんど会話をした事のなかった店主に声をかけてみた。
――ほんとに閉店しちゃうんですね。今日閉店だって聞いて来たんですよ。5年くらい前までこの近所に住んでいて、ほとんど毎日のようにお世話になってました。
店主「ありがとうございます」
寡黙で、初めてこちらを利用した10年前から、失礼ながら愛想の無いご主人だなと思っていた。しかし、
――手作りサンドイッチが美味しくて、好きで良く買ってたんですよ。他のヤマザキではあんまり無いですよね。
店主「面倒なんだよアレ(苦笑)。サンドイッチ作るだけで半日は潰れちゃう。でもウチは最初からやってたから(ずっと続けて来た)。手間がかかるので他のヤマザキじゃ滅多にやってないんじゃないかな。(手作りサンドイッチを出しているヤマザキは)1割もないと思う」
――明日からどうするんですか? シャッター閉めるだけですか?
この手狭なテナント、当然ご自宅兼店舗。閉店しても、ここに住み続けるのか。そんな意味を込めて訊いてみた。
店主「やっとゆっくりできるからね。先の事は考えてないよ。ゆっくり休んでから考える(笑)」
朝7時の開店。
記憶を探れば、確かに午前中はまるまる、店主か彼の奥さんがサンドイッチを作っていた。
メンチやコロッケを揚げ、パンに挟み、ビニールパックする姿を何度も見かけていた。
レジに立つのは、いつも店主かその奥さん。バイトなんていなかった。
時折店休日を設ける事はあったが、基本的に毎日7時から11時まで、店主夫婦が交代で店番をしていた。
忙しそうだな、と確かに私は感じていた。
「ゆっくり休むよ」という店主が言った時、彼は笑った。
そういえば私は、店主の笑顔を初めて見たかもしれない。
――長い間お疲れ様でした。ありがとうございました。
店主「こちらこそありがとうございました」
皆さんの近所の「ヤマザキショップ」では、手作りサンドイッチを提供しているだろうか。
新井中野店店主が言うには「1割もない」というヤマザキショップの手作りサンドイッチ。
きっとそんなレアなヤマザキショップが他にもあっても、手作りゆえに、きっと味も違うのではないだろうか。
もうあのサンドイッチは食べられないのだ。
まるごとソーセージは、今日の朝ごはんにした。
ビジュアル図解 コンビニのしくみ (DO BOOKS)
posted with amazlet at 14.05.01
笠井 清志
同文舘出版
売り上げランキング: 87,167
同文舘出版
売り上げランキング: 87,167