- 2013年10月25日19:00
イチローのカレー好きの原点か!?名古屋の隠れたB級グルメ「カレー幸」のカレーライスが切ないほどにウマい
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名古屋でB級グルメ。
そう考えた時に思い付く味はいろいろあるでしょう。
しかしそれが「カレー」である、と言われると、え、そうなの!? と驚くことでしょう。
今回名古屋に行って最初に案内された店は、知る人ぞ知る「イチローが食べたカレー」。
カレー好きで朝からカレーを食べるイチローが、高校時代行かなかったはずのないカレー屋さん。
それが「カレー 幸」です。
イチローのカレー好きの原点、と未確認情報ながらほぼ断定されているのにはワケがあります。
それは、「カレー 幸」が、愛工大名電高のごく近所にあり、通学路にあるお店。
愛工大名電高と言えば、イチローの出身高校であり、
「カレー 幸」のお客の多くは、愛工大名電高の教師や生徒らしいんですよ。
「絶対これイチロー食ってる。食ってないわけがない」
そんな確信のもと、向かう我々の目の前に、それらしき店が見えて来ました。
ん? ここか?
でも、ちょっと待てよ……?
まさかこれ、今日は店休日……
というかそもそもこれ、営業してんのか?
潰れてるんじゃね??
という心配すらする店構え。
でもよく見れば中に明かりは付いています。
店の前でまごまごしている我々をよそに、何の躊躇もなくドアを開けて中に入って行く客がいます。
その隙を見逃さず、開いたドアの隙間から中を見ると……
――いる!
客と店員さんが、いる!
しかもほぼ満席!
ウソだろ!?
慌てて中に入る我々。
ええ、こんな店構えで、完全に営業しています。
完全に一見さんに優しくない見た目です。
フタの無いマスタード瓶や、ベッタベタのソース差し。
年季が入り過ぎたメニュー表は茶色くすすけ、
壁に立て掛けられた傘数本には、いつからここにあるのだ!? と驚くほど持ち手の部分にホコリが。
椅子も張ってある合皮が破れたり、変色していたり、ここは廃墟ですと言っても過言ではない店内。
ですが、満席なんですよ。
調理場ではおそらく70代とおぼしきマスターと、その息子さんらしき男性2人が調理を担当。
フロアで接客するのはマスターの奥さんとおぼしき女性。
この奥さん、我々がどう見ても一見客なので丁寧に接客してくれるのですが、
我々より前より来ていた中年男性客には、
「(マスターが片付けやすいように)早く皿を上げなさいよ」と、ぞんざいに対応。
「あ、はい」と苦笑しながらも素直にカラになった皿をマスターが受け取りやすい位置に置いているその中年客は、会話の内容を聞くに、まさに愛工大名電高にそこそこ長くいる先生のようです。
威厳ある中年男性が、まるで母親に怒られる子どものように扱われている。
そのぞんざいさも常連客との長い付き合いと愛情が感じられる、悪いイメージのものではありません。
この佇まい、
愛工大名電高の教師、生徒の常連が来るから別にいいや、というやる気の無さが現れた店構えだったわけですよ、きっと!(暴言)
で、これがこの店の看板メニュー「カツカレー」。
カレーとハヤシ、そしてカツのバリエーションのみのメニュー。
大盛りや、カツダブルなど、その量で値段が変わるくらいで、またこれが激安。
このカツカレー450円です。並盛りですよ?
大盛りにしても490円。
カツは値段に比例した小ぶりのカツ。
ルーは野菜と肉が溶け込んだビーフカレー。
特に肉は繊維質のものがチラホラ見える程度でカタマリの肉などなく、これはカツカレーにしないと物足りない印象さえあります。
サラダはセットで付いて来ます。
カツカレー+サラダで450円ですよ?
で、肝心の味のほうですが、端的に言いますと、
ものすごくうまい。
でも何がうまいのかよくわからない。
謎カレー。
甘口と言っていいほど、ひとくち目に辛さを感じない。
だけど見えなくなるくらい溶け込んだ肉や野菜の旨みが濃厚で、
これはビーフシチュー、いやハヤシライスではないかと思うほどにコクがありつつも、
食べ進めるとどんどんカレーらしいスパイスの味が膨らんで来て、
完全にカレーとしての個性でまとまっている。
薄くて小さいカツを楽しむために、テーブルのウスターソースをかけて混ぜて食べると、辛さとスパイシーさがさらに引き立ち……
ええ、夢中で食いました。
何がこんなにうまいのかわからないまま一気に食い切り、
お会計をして店を出て、おなかいっぱいなのに、
「このカレー、もう二度と食えないんじゃないか」
「今すぐにでももう一杯食いたい」
「カレー大盛りにカツダブルでおなかいっぱい食いたい」
という焦燥感に似た思いすらする、激旨カレー。
給食のカレー、蕎麦屋のカレー、似たようなカレーは絶対ほかにもあるはずなのに、
ここ名古屋の愛工大名電高傍の「カレー 幸」でしか食べられない、まさにオンリーワンの味。
店構えもアレだし、いつまでこの店があるのだろう?
今度名古屋に来た時に、このカレー屋残っているだろうか?
(物理的に)潰れてしまわないか……?
もう二度と食えないんじゃないか……!?
そんな後ろ髪を引かれるほどに切ない気持ちで次の目的地に向かう我々。
「きたなシュラン」で紹介されたら3つ星確実の汚さと美味さ。
クセになり、思い出になる不思議なカレー。
それが「カレー 幸」のカレー。
イチローが食べたかもしれない、そんなキャッチフレーズさえどうでも良くなる、名古屋に来たら必ず食べたいと思うほどにグッと胃袋を掴まれること請け合い。
名古屋に来たらぜひその不思議なカレー体験をして欲しいですね!
カレー 幸
愛知県名古屋市千種区若水3-5-27
(11:00〜14:00/火曜定休)
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