- 2013年07月31日23:00
「東京理科大 近代科学資料館」で日本初の真空管式商用コンピュータ「UNIVAC120」を見て来た
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真空管、トランジスタ、ニキシー管。
そういったもはやレトロの域に達しているデジタル機器に萌える。
そんな方も多いかと思います。
神楽坂にある「東京理科大近代科学資料館」。
ここに、日本で初めて商用導入された、真空管式の商用電子計算機「UNIVAC120」の展示が始まったというニュースを見て、見学に行ってみました。
ここはニッチなジャンルの無料博物館のひとつ。
紀元前の中国の計算機「算木」から、iMacを始めとしたパソコンまで、
古今東西のありとあらゆる計算機を、おそらく日本一の規模でコレクションしている博物館です。
日本初の! というキャッチフレーズは、このコンピュータが日本で開発されたという意味ではありません。
UNIVAC120は、1954年にアメリカで発表された商用コンピュータで、
1955年に日本に2台到着。
ひとつは野村證券で株式売買等の計算に使われ、もう一台は東京証券取引所で商用運用されたそうです。
日本経済に初めて、コンピュータが導入された――それが「日本初」というわけで、コンピュータ活用と情報サービス産業の歴史の幕開けを象徴する展示物として、貴重な資料なんですね。
YouTubeの産経ニュースチャンネルの動画を見てみると、その姿がよくわかります。
デカくて、たくさんの真空管が並んでいる様子。
いや、これ、萌えますよマジで。
PCにも匹敵する性能がiPhone・Androidで手のひらにすっぽり収まる現在では考えられないほどの、大きさ、性能。
その無骨な姿。
ま、わたし文系なんで、ビジュアル以外に、実際どのように運用されていたかや、これを動かすことには興味はそれほどないんですが、レトロなメカニックを手に届くほどの距離で間近で見られるのは実にうれしい。
(東京理科大学近代科学資料館公式サイトより)
「近代科学資料館」では、先に述べたとおり日本一の計算機コレクションがあります。
江戸時代前期の天文暦学者・渋川春海の生涯を描いた「天地明察」。この中にも小道具として登場した「算木」は、そろばんよりも歴史が古い計算機。
それこそ紀元前の中国の算木から、そろばん……そして、現代のパソコンまで、数多くのありとあらゆる計算機が壁を埋め尽くしており、計算機の歴史を眺めるのは楽しいですよ。
その多くは触れないんですけれども、唯一自由にさわって良い資料がありまして。
それが……
タイガー手回し計算機。
電卓以前の、大正時代からある計算機なんですが……
かなり操作複雑ですよね?
これの使用方法と共に実機が何台か置いてあるんですよ。
実際試してみたんですけれども、
全然操作がわからない。
正直そろばんのほうがカンタンなのでは……と思うのは、やはりわたしが文系ゆえか……。
その他にも、
壁を埋めるほどのサイズのパラメトロン電子計算機、
床を埋め尽くすほどの微分計算機(微分計算しか出来ない)など、
これだけ歴史的で貴重な資料が揃っているのに、実は一番心がときめいたのが、
スティーブ・ジョブズの功績が並んでいる「パソコン」のコーナーというのが、文系人間の悲しさでしょうかね……。
初代Macintoshから、ジョブズがAppleから追放されていた時代のネクストキューブの実機、
そしてジョブズがAppleに戻って来て、PC業界に革命を起こしたとも言える初代iMacが並んでるんですよ。
他にも日本製のPC8801とか……
やっぱり子どもの頃あこがれつつも高嶺の花だったパソコン・マイコンは、懐かしさにグッと来るものがありましたね。
子どもの頃パソコン・マイコンにもうちょっと触れる機会があったら、理系人間になれたかもしれませんね。
さて、夏休み。
お子さんの自由研究等に、2,000年以上にも及ぶ人類の文明の利器・計算機の歴史を「近代科学資料館」で学ぶというのも、いいかもしれませんよ。入場も無料ですし!
将来、理系男子(女子)になること請け合い! ……かも。
東京理科大学近代科学資料館
http://www.sut.ac.jp/info/setubi/museum/
おっと、産経ニュースの動画を貼り忘れてました。
コチラです。