- 2013年01月12日22:00
『孤独のグルメ』ロケ地探訪。沼袋のわさびカルビと卵かけご飯「平和苑」に行ってきた
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先日好評のうちにドラマ版セカンドシーズンが終了した「孤独のグルメ」。
その中でも特に印象的だったのは、第三話「中野区沼袋のわさびカルビと卵かけご飯」の回だと思う。
そこそこいいお値段のメニュー。
ゴローちゃんは値段を気にせずどんどんオーダーしていく。
ひとり焼肉としてはいったい支払いいくらになったのだ……!
と、みなやきもきしたはずだ。
ドラマのこの回を視聴していた友人が、値段はともかく「牛肉苦手なんだけど、ここのわさびカルビなら食べれる気がする」という謎のモチベーションを発揮。
新年早々予約を入れると息をまくので、筆者もそれに乗っかった。
わさびカルビと卵かけご飯。
いいじゃないか……!
俺も食べたいよ! 牛肉だいすき!
これがメニューです。
改めて見てみれば、一人前2,500円の「和牛ハラミ」なんてのも見えますが、選べば普通の焼肉店の値段と変わらないでしょうか。
とりあえずゴローちゃんと同じ、
・わさびカルビ(1,500円)
・三角(1,500円)
を頼んでみます。
「わさびカルビ」の、肉と本わさび。(二人前)
な、なんじゃこりゃあああああああ!!!
極上じゃないか……(ゴクリ
霜降りに、おろしたての本生わさび……
こちら「三角」。(二人前)
アホか! なんじゃこれ!? 極上カルビと違うんか!?
(と思ってあとで調べたら、「三角」とは焼肉屋さんによっては上、極上カルビとして出している肩バラ肉の特に良い部分。では、平和苑の特上カルビとは一体…………!?)
ところでドラマの中のマスターは、かなりお客さんにフランクに接して来ていましたが、実際のマスターはそれに輪をかけてフランクです。そして優しいです。
我々が平和苑初体験と知り、それならばと、一番美味しい焼肉の食べ方を指南してくれます。
というか肉を焼いてほどよいタイミングで、我々の小皿に「ほれ今食べろ」と置いてくれます。
わさびカルビは、半面だけを焼き、わさびをのせ、半生の状態で折りたたみ、醤油皿にぽんと。
三角は両面を一瞬あぶっただけで小皿にぽん!
焼肉に行くと、赤い部分が残っていると食べられない、完全に焼き締めないと食べない派がどうしてもいらっしゃる。
そんな方は帰ってくれないか!? とばかりにレアの肉を食わせようとするマスター。
ありがとう!
(半)なまにく超うめえ!!
「うまい本物食べなくちゃダメ」と、ドラマと同じことを言うマスターが、我々に訊きます。
「普段焼肉屋行った時、何食べてる? ウチのと比べてみな」と。
我々は「牛タン」と答えると、マスターは苦笑い。
そう、平和苑、なぜか牛タンを置いていません。
だったら……とオススメされたのが、
「丸」(840円、写真は二人前)
マルとは、もも肉、赤身の部分。
不思議とタンに似た歯ごたえがありつつ、もっちりと柔らかい。
やば、これもうまい……。
続いて「ホルモン皿」(1,200円、一人前)
ホルモン各種が少しずつ盛られてますが、マスターはこれをザラッと網にあけ、手早く網上で炒めるように混ぜ混ぜ。
「真ん中に集めて蒸し焼きにするんだよ」と。
「もういいよ」と完成したホルモンは、つやっつやで超きれい。
食べるとぶりぶりとした食感。
安いホルモンの噛み切れない感じがまったくありません。
なんだこれ、やばい。
豚肉もいただきました。
ブランド豚「東京X」(900円)
脂身がかなり多いですが、この炎の透ける脂身が、超うまい。
サクッとした歯ごたえで、噛むとジューシーな脂があふれる……。
ほんのちょっとかかった塩胡椒と、仕上げにかけたレモン汁で引き立つ脂身の甘さがやばい……。
ここまで来て、冒頭の、牛肉が苦手なのに「平和苑」を体験したいと言った友人に改めて訊いてみました。
――どう? 牛肉。
「う、うまい……。しかしこれは高い、いい肉だからなのか?」
――だったら最後に頼んでみるか。
「何を?」
――この店にしてはリーズナブルな、無印のカルビ。
そう、わさびカルビ、特上カルビ、おすすめカルビ、たいがい一人前1,000円を超えるカルビの布陣の中で、逆に目立つ無印の「カルビ」。
その値段、680円。
「い、行ってみよう!」
はい、「カルビ」。(680円)
いや、もう、これ充分に上カルビの部類でしょ……ってやつ来ちゃった。
タレ味で、こちらもホルモン同様蒸すように炒め上げ、ミディアムレアに。
タレの甘味と脂の甘味に加え、蒸し焼きにした焦げ目の香りが、スモーク香のようにも思える妙味。
やばい、一番安いカルビでも、ほかとは違う、違い過ぎる。
――どうだい? 友よ。
「う、うまい……牛肉うまいじゃないか……」
うまくないわけがない。
だが友人よ、これからもきっと、キミは他で食べる牛肉は苦手だろう。
平和苑、ここの焼肉は段違い過ぎる……!
最後のシメは、ゴローちゃんと同じく卵かけご飯。
多めの醤油に負けない濃厚な玉子の味、そして干し納豆のアクセント。
美味い。うまい。卵かけご飯って、こんなに美味かったっけ。
正直に言おう、筆者は生玉子が苦手だ。
卵かけご飯なんて、20年は食ってない。
孤独のグルメ・ロケ地探訪「平和苑」編。
友人が牛肉克服のテーマをもって望んだのなら、
筆者の裏テーマは卵かけご飯克服。
ここの卵かけご飯なら食べれるんじゃないかなーと思ったら、
食えた。うまいと思った。
両者の苦手な食べ物をメインに据えながら、それを克服しようと店に向かわせる魅力。
そして実際食べて克服し、めたくそ美味いと思わせるホンモノ。
ゴローちゃん!!
この店ヤバイです!!!
もしかして俺、ここ以外の卵かけご飯は食べれないのかな……なんて。
平和苑
東京都中野区沼袋3-23-2
03-3388-9762
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