NewsACT

あなたの暮らしのためになる(?)漫画原作者・猪原賽が発信する中央線ライフブログ

  • 21:30

日本に現存する最後の秘境!?新宿花園神社「酉の市」行って『見世物小屋』を見て来た

2012_11190010R
「今年で最後!」と言いつつ早10年。

日本に現存する最後の「見世物小屋」は、毎年この時期、新宿花園神社の「酉の市」で見ることが出来ます。

早10年と言っても、来年もあるかどうかはわからない。

ほんとにそんな怪しい、危なっかしい雰囲気が「見世物小屋」にはあります。

これは見るしかない。

というわけで行ってみました。
2012_11190002R
歌舞伎町から新宿通りを通って花園神社に向かうと、屋台がずらりと居並びます。
これだけでもタギってくるというもの。

見世物小屋は逃げません、まずは「酉の市」を楽しみましょうか。

2012_11190004R
新宿通り側の鳥居。
ここから先が、花園神社です。
屋台もいっぱい。

2012_11190005R
社の前には、提灯がずらり。綺麗ですね。
でも、提灯なんか目じゃないですよ、酉の市ったら、

2012_11190007R
熊手です。
そこかしこで威勢のいい、商売繁盛を願う掛け声が上がり、熊手を求める客が多いことがわかります。

熊手は一回買うと、来年はそれより大きなものを買わなくちゃならないんですよね?
最終的にはどんな大きさになっちゃうんだ(いくらなんだ)? と、
それを考えると、ちょっと買うのをためらってしまうチキンなわたくし。

せいぜい筆者が買えるのは、出店の屋台メシくらいです。


2012_11190021R
というわけで、広島焼きを買いました。600円也。

わかりますか? このデカさ。

2012_11190014R2012_11190017R
威勢のいいお姐さんが、このように豪快にお好み焼きを作っているのに惹かれて、つい並んで買ってしまいました。

2012_11190018R
いや、ほんと、デカイ。
これで600円なら、屋台価格として格安の部類。

目玉焼きの大きさと比べれば、その大きさは一目瞭然でしょう。
大盤振る舞いぶりに惹かれて買ったものの、

2012_11190022R
ここまで食って充分に満足してる筆者。
一人で来るんじゃなかった。こりゃちょっとしたパーティメニューだよ……。

2012_11190023R
食い切りましたけどね。一人で。

せっかくこんなに屋台が出てるのに、お好み焼きひとつじゃ満足するわけにはいかないから、

2012_11190024R
じゃがバタもいただきましたけどね!

ところでお祭り屋台で買うじゃがバタの、ジャガイモの大きさ、気になったことありませんか?
市販で売ってるジャガイモに比べて、だいぶ大きい気がしませんか?

これ、実は、飼料用に栽培されているジャガイモだって聞いたことあるんですが、本当でしょうか?

だからたっぷりバターやトッピングで楽しめる大味で淡白な味なんだと、飲食業を営む友人から聞いたことがあるんですが、そんな裏メニューどころか、裏取引みたいなこと、あるんでしょうか。気になります。

2012_11190025R2012_11190026R
それにしても、こいつもデカイ。
巨大お好み焼きをやっつけた後だとキツイ。
途中で休憩を挟むと、11月の冷気であっという間に冷め、固まったバターがキツイ。

でもまあなんとか完食。

さて、腹ごなしに今日のメイン、「見世物小屋」に行ってみましょう。


2012_11190010R
残念ながら、見世物小屋は撮影禁止です。

表の様子はスナップならOKとのことで、一応撮りましたが、モザイクでごカンベン。
それにしてもモザイクってのは、余計怪しさが増しますかね(笑)。

筆者がこれ以前にここ花園神社の見世物小屋を見たのは、何年前だったでしょうか。
10年くらい前だったかな……。

その時に比べて、出し物が増えていました。

筆者がこの日見たのは、

・箱抜けの手品
・ガラスをすり抜けるヘビ
・鎖鼻通し
・双頭の動物
・ヘビ魔術
・ニシキヘビ
・ヘビを食べる女
・人間火炎放射器
・ニワトリを食べる女

以上9演目。


人材不足で経営の危機となっていた見世物小屋。
有望な新人が入って、なんとかその危機を乗り越えた、という話も聞いたことがあります。
実際、若い女性が二人、ステージに立っていました。

これらの演目を演じるは、(以前筆者が見たこともある)年季の入った女性・おみねさんを中心に、黒髪の麗しき女性・こゆきさん、そしてギャルメイクのアマゾネスぴょんこさん。

こゆきさんは、白い肌に人形のようなロングストレートヘアの美人にも関わらず、「鎖鼻通し」を演じて、まず度肝。

鼻から鎖を入れ、口から出し、鎖を上から下、下から上へとズリリ、ズリリと往復させ、せっかくの美人が台無し
その上、水の入ったバケツを、鼻口を通ったままの鎖で持ち上げるパワープレイ。
これはもう、台無しなのではなく、逆に変な「性」に目覚めそうな妖艶ささえ感じます。


このこゆきさん、その後は「ヘビを食べる女」の担当でもありました。

筆者が昔見た時は、おみねさんがその担当でしたが、さっき鼻に鎖を通した妖艶な美人が、今度は生きたままのヘビのアタマを食いちぎり、肉を生で咀嚼

これだけでも女性客はキャー! と叫び声を上げていましたが、まだ甘かった。


それまでアシスタントに徹していた、アマゾネスぴょんこさん。
最後の最後でメインを張ります。

「ニワトリを食べる女」


ぴょんこさん、ギャルメイクに金髪の、実に新宿にいそうなかわいい女性なんですよ。
事実客からは「ぴょんこちゃーん!」なんて声もかけてもらっていて。
ニコニコ笑顔で、手なんか降ったりして。
それが、ステージに現れた。

バタバタともがく、生きたニワトリを手にして

ニワトリを食べる女? そんなの鶏肉を食うだけだったりするんじゃねーの?www

という、観客の冷ややかな空気さえ感じた直後の、クエーッと鳴き声を上げるニワトリを手にしてぴょんこちゃんが現れた時の、息を呑む観客達の空気感。

ちょっと、この後起きたことは、ここには書いてはいけない気がします。

観客の様子だけでも書くと、

・マジかよ……と引く客
・マジかよ……! と拍手喝采の客(←これ、わたくし。)
・マジかよ……と失神しそうな自分を保とうと一生懸命目をそむける女性客
・マジかよ……と飛んで来た赤い液体を係にぬぐってもらって直立不動の客

まあ、お察しのとおりです。
マジです。

ここで演目は一巡して、最初に戻ったのですが、実に筆者的にはタイミングが良かった。
完全にメインエベントだった、ニワトリを食う女
「お代は見てのお帰りィ……」
木戸銭800円を支払い、小屋を後にしました。

詳しく紹介していない演目もありますが、800円、実に安い。
演目によっては、やる時とやらない時があるようなので、ニワトリを食う女が必ず見られるとは限りませんが、実に21世紀・現代に存在するとは思えない、レトロという一言では片付けられない秘境感があります。

まさに、タイムスリップ。
いや、パラレルワールドか。
こんな体験、なかなかできるものじゃない。

日本最後の見世物小屋。
今年が最後の見世物小屋。
今度は、いつ、どこで……

また来年も見られるといいですね。
もし花園神社の酉の市や、他の大きな祭りで、見世物小屋を見かけたら、素通りしては勿体ないですよ!

見世物小屋の文化誌
見世物小屋の文化誌