- 2012年11月07日22:00
下町大森にカクテル全日本チャンピオンがいた！ バー「テンダリー」で飲む王道カクテルと貴重なお酒
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大森駅東口の、南側の、歓楽街も途切れてくるあたり。
そこにひっそりと、「バー テンダリー」はある。
これまで何度も全日本チャンピオンに輝いた女性バーテンダー・宮崎優子さんが率いる、実に見事なカクテルを出すバーだ。
そんなバーと聞いたら敷居が高そうだが、ビルの二階にあるこの店は、このように窓が大きく開き、中の様子もよくわかる。
もちろん、居酒屋で一杯飲む、なんて気持ちで入ると、値段にびっくりするかもしれない。
しかし、カクテルを一杯頼めば、それでも安いものだとわかるだろう。
カクテルの味はもちろんのこと、しっかりとしたサービスな上に、かしこまっていない雰囲気。
そのバランスに、非常に居心地のいい店だ。
この日いただいた酒は、４杯。
スーズモヒート、グリーンアラスカ。
ホットピコン、シャルトリューズ（ショット）。
カクテルは美しく丁寧、そしてリクエストした貴重なシャルトリューズ。
どれも大満足の酒。
シャルトリューズの件は後に置いておこう。
この店はお通しも楽しく、ワクワクする。
お通しは、この中から一品、自分で選べる。
燻製うずらやサラミ、レーズンやオリーブが綺麗に盛られている。
筆者は中央右から二つ目、殻付きマカデミアナッツを選んだ。
マカデミアナッツの殻は、この機械を使って自分で割る。
マカデミアナッツの殻が、こんなに厚いとは知らなかった。
そうして選んだ一品と、
オリーブオイルが添えられたフランスパン。これがお通しだ。
他におつまみにも珍しいものがある。
その名も「しいたけ」。
椎茸を単純に乾燥させたものとも、フリーズドライさせたものとも違う、妙にサクッとして醤油味がほのかに香る、何の酒にでも合いそうなおつまみだ。
さて、貴重な酒、シャルトリューズの話をしよう。
筆者がこの「テンダリー」を訪れたのは、このシャルトリューズを飲むためだ。
以前こちらに伺った友人が薬酒が好きだと伝えたら、貴重なシャルトリューズがある、と並べてもらったらしい。
それと同じことをしてみた。
――貴重なシャルトリューズがあると聞いたのですが。
すると、目の前に並べられたのが、これだ。
左から、
・ モロゾフ・シャルトリューズ（年代わからず）
・ シャルトリューズ1605
・ シャルトリューズ・ジョーヌ（1950～60年頃のもの）
・ シャルトリューズ・ヴェール（現行品）
・ シャルトリューズ・ジョーヌ（現行品）
年代のわからないモロゾフ・シャルトリューズとは、日本の酒造会社「モロゾフ酒造」（現・モンデ酒造）の醸造した、純日本産のリキュールである。
モロゾフ酒造と名前があるということは、その名前が存在した1960年から1972年までの間の製品だ。
シャルトリューズ1605とは、2005年にシャルトリューズ400周年を記念した、400年前のレシピを再現してリリースされたもの。
（現状規制されている成分――ツヨン等に関しては残念ながらカットされている。）
この中から筆者が選んだのは、元祖シャルトリューズ、1950年から60年代のものだ。
甘みが強く、カクテルの材料として使われることの多いリキュールだが、
これは、ショットで飲まねばなるまい。
秘伝の薬種の味。
複雑で、熟成された甘み。鼻に抜けるさわやかさ。
実にうまい。
これを味わった上で、カクテルの材料にしてもらえたら……たまらんのじゃろか。
しかし、残りは少ない。貴重な古い瓶が、もう無くなってしまう……！
――もう残り少ないですね……この50年以上前のシャルトリューズ……
と残念に言葉をかけると、宮崎さんは笑顔とガッツポーズで答える。
「先日、一本手に入れました」
え、どうやって……！？ なんで！？
それは答えてくれない（笑）。
この日一緒に来たツレは大のテキーラ好きで、見たこともないテキーラを出してもらって喜んでいた。
バーは、バーテンさんと酒の話をするのもつまみだと思う。
膨らめば、メニューに無い酒も出てくる。
さらにうまい酒が飲めるという寸法だ。
何度も全国大会で優勝や準優勝している宮崎さんのオリジナルカクテルをいただくまでに予算が足らなかったが、何度かの飲酒を我慢してまでもここを再訪する価値はある。
また今度にしよう。
この腕を見たければ、彼女と話したければ、大森のテンダリー。ぜひ訪れて欲しい。
バー テンダリー
東京都大田区大森北１丁目３３－１１
03-3298-2155
お菓子な椎茸 ４袋セット （1袋 25g×4） 【メール便配送】
たぶんこれは「しいたけ」の類似品……か？
